Tuesday, June 6, 2023

大学1年で未婚の母に 児童館でぽつん…だから作った場所が人気

 佳山奈央さん(31)は、神戸・三宮で子育て支援施設「PORTO(ポルト)」を営む。ガラス張りの開放的な室内。保育士と遊んでいる子どもの傍らで、大人が読書やテレワークをしている。利用者の4割は男性で、映画鑑賞や買い物の間の預かりもしている。 ママ友の輪に入れず…苦手だった児童館  自身は小学6年の長男(12)がいるシングルマザーだ。大学1年の時に未婚で出産。「子どもがいるから諦めたと言いたくない」と覚悟を決め、母や妹のサポートを受けて、ビジネスコンテストを運営するなど学生生活も全力投球した。  卒業後、リクルートで3年間、新築マンションの広告戦略などを担当。2019年に起業を志して退社し、保育園経営などを模索したが、思い通りに進まず、1年間、自分を見つめ直した。  実は児童館など子育て施設が苦手だった。ママ友同士が固まり、輪に入れないと、ぽつんと我が子を見ているしかなかった。「それぞれの親も居心地がよく、知識や趣味など新たな世界を広げられるような施設が必要とされている」。構想が固まった。 利用世帯4万突破、夜もにぎわい  ポルトは20年12月にオープン。新型コロナウイルス禍まっただ中で、児童館は閉じており、「行き場が見つかった」と喜びの声が上がった。口コミで利用者が広がり、23年5月には会員は4100世帯を突破した。  夜はバータイムを設け、スパイスカレー作りやアート鑑賞など大人向けのイベントも開き、子育てを終えた世代や大学生らも出入りする。貸し切りで子ども同伴の飲み会を開く会社もある。「子どもと大人の世界を分けず、それぞれが自分らしく子育てを楽しめる場所にしたい」と思っている。【山本真也】 佳山奈央さん  大阪府出身で姫路市育ち。神戸市外大卒業。趣味は読書と旅行。ポルトは神戸市中央区八幡通4の1の11、電話078・891・3839。定休日なし。

「ほとんどの国がマレーシアのようになる」 マハティール元首相会見

 マレーシアのマハティール元首相(97)が来日し、東京都内の日本外国特派員協会で24日記者会見した。移民問題を中心に話し、多くの民族が共存するマレーシアを例に挙げて、「世界が抱える共通の課題の一つの解決策が移住であり、将来、ほとんどの国がマレーシアのようになるだろう」と述べた。  マハティール氏は、人口爆発と少子化という正反対の動きが地球上で進んでいることに触れ、「先進国では人が減る一方、途上国では人が増え、問題も山積している。これに対する一つの簡単な解決策は、仕事の多い先進国に途上国から移住することだ。これは世界の問題だ」と話した。  人の移動がますます活発になり、世界全体で取り組むべき課題は増えているという。新型コロナウイルスが世界的に大流行した時のワクチン供給については、「先進国では手に入った一方、途上国までは届かなかった。どの国も自国だけで対処しようとした結果だ。不幸にも人の移動によって、さらに感染が爆発した」と指摘した。

【マスクは効果なし】海外旅行“解禁”で感染者が! “妊婦”と“30~50代”要注意の「はしか」 1人から18人に感染拡大

極めて強い感染力で、症状も重く、4割は入院が必要になり、死亡することもある。 しかも治療薬はなく、妊婦が感染すると流産・死産等が高い確率で起こる…それが「はしか」です。 決して“子供の病気”ではありません。 久々に「はしか」の感染者が出たことを、東京都が発表しました。 その背景には、コロナ禍にあった制限が“撤廃”されたことがあったのです。 体育館でも、患者が1人いれば数分で感染 東京都内の男女2人が「はしか」に感染していることが、5月12日に発表されました。 今回感染した2人は、同じ新幹線のグリーン車に乗っていました。 そして、インドから帰国後に感染確認された30代の男性も、同じ新幹線に乗車していました。 この男性がきっかけで、2人は感染したと見られています。 「同じ新幹線に乗車しただけで感染」ということを、意外に思われる方も多いかもしれません。 実は「はしか」は、飛沫や接触による感染するだけでなく、空気感染もします(空気感染する病原体は、「はしか」ウイルス以外には、ほとんどありません)。 とはいえ、新幹線や飛行機の中は「空気の入れ替え」が行われています。 しかし、安心できないのが「はしか」ウイルスなのです。 それでも感染してしまうほどの、非常に強い感染力が「はしか」にはあるのです。 1人で12~18人にうつす力があると言われ、感染力はインフルエンザの数倍強力です。 体育館のような広い場所でも、患者が1人いれば数分で感染するとされています。 マスクや手洗いは効果なし…「国際空港」は高リスクの場所 しかも、手洗いやマスク着用などの対策では、まず効果はありません。 免疫がない人が感染すると、ほぼ100%発症します。 発症すると、39度を超える高熱が出て、全身に発疹ができます。 重症化すると脳炎を引き起こし、まれに死亡することもあります。 実は、日本は2015年にWHOから「はしか」は【排除状態】にあると認定をされています。 にもかかわらず、今回のように感染者が出るのは、内外の海外渡航者がウイルスを日本に持ち帰るからです。 新型コロナの影響で、海外との行き来が数年間ストップしていましたが、それが再開されたことで、ウイルスが持ち込まれる可能性が高まっています。 今回も、インドに渡航した人から感染が拡大しました。 ですから、多くの海外渡航者が行き来する国際空港は、最もリスクの高い場所のひとつなのです。 治療薬はない…妊娠中に感染すると流産・死産も! 症状も軽いものではありません。 感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。 熱が2~3日続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。 さらに「はしか」患者の30%に合併症がみられ、その40%が入院を必要とします。 肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。 死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人とされています。 そして、特に注意が必要なのは妊婦です。 妊娠中に「はしか」に感染すると、流産・早産・死産が3~4割もの確率で起こるので注意が必要です。 さらに、「はしか」ウイルスに直接効く薬、“特効薬”はありません。対症療法として、解熱剤、抗生剤が処方される程度です。 入院が必要になることも多いのですが、強力な感染力のため、隔離病室がないと入院できません。 30~50歳代にワクチン「空白世代」 では、どのように予防すればいいのか。 何といっても、2回のワクチン接種が予防に有効です。 定期接種の時期は1回目は1歳のとき、2回目は小学校就学前の1年間です。 そうすると、「はしかの予防接種は子供の頃に受けたはず。なのに、何故感染してしまうのだろう?」と不思議に思われるかもしれません。 実は、はしかワクチンに関して“空白世代”とも言うべき年代があるのです。 「はしか」ワクチンは、1978年に定期接種になったものの、当初は1回接種でした。 しかし、「はしか」ワクチンは、1回接種では十分な免疫がつかないことや、年数を経ると免疫が低下することがあり、2回接種で確実な免疫がつくとされています。 2回接種制度が始まったのは、2006年からです。(ただし2007年に「はしか」大流行があり、翌年から5年間、1990年~1999年生まれの人には追加接種の機会が設けられました) また、1993年頃に接種率が一時低下した期間もありました。 といった経緯から、 注意が必要なのは30~50歳代くらいの世代です。「はしか」ワクチンを1回しか接種していない人もいて、免疫がある人・ない人が混在していると思われます。 ワクチン接種を希望される場合、自費診療となります。医療機関によって多少違いますが、数千円から1万円程度です。助成金が出る自治体もあります なお、妊娠している女性は接種できません。妊婦さんと同居する方で、「ワクチンの2回接種が明らかでない」場合は、対応について、医師に相談されてください。 5月から夏の旅行シーズンは要注意 「はしか」は、5〜6月に感染が広がることが多く、まさに今の時期は注意が必要です。 さらに、夏の旅行シーズンに海外に行く方も多いと思いますが、新型コロナ対策が優先され、「はしか」ワクチン接種まで手が回っていない国も多くあります。 […]

園遊会、4年半ぶり開催 令和初 天皇・皇后両陛下が国枝さんらと歓談

 天皇、皇后両陛下主催の園遊会が11日、赤坂御苑(東京都港区)で開かれた。春と秋の年2回行われてきたが、天皇の代替わり行事や新型コロナウイルス感染拡大の影響で2018年秋を最後に実施されておらず、開催は4年半ぶりで令和初。雨の中、両陛下や皇族方は約1000人の招待者の間を傘を差して歩き、和やかに歓談された。  天皇陛下は、車いすテニスの第一人者で国民栄誉賞を受賞した国枝慎吾さんに「車いすテニスとパラスポーツの発展に大変なご尽力をなさって」と言葉をかけ、プレー中の体の使い方を質問するなどした。皇后雅子さまは、国枝さんが東京パラリンピックの男子シングルスで金メダルを獲得したことに「本当に素晴らしいご活躍で」とねぎらった。  旭化成名誉フェローの吉野彰さんは19年にノーベル化学賞を受賞したことを報告。天皇陛下は吉野さんが開発したリチウムイオン電池について「本当に素晴らしいものですね」とたたえ、吉野さんが環境問題に貢献したいと意気込むと「温暖化の問題も深刻ですからね」と応じていた。  宮内庁によると、今回は招待者を例年の半数程度に減らし、食事やアルコールを含む飲料の提供も見合わせた。両陛下や皇族方はマスクを着用し、招待者にも着用への協力を求めた。【村上尊一】

コロナ対策パーティション 「廃棄しないで」

新型コロナウイルスの感染予防対策に使われたアクリル板のパーティションについて、廃棄しないよう呼びかけられた。 東京都は、5類への引き下げに向け、大量廃棄が懸念されているパーティションについて、感染の再拡大などに備え、保管するよう呼びかけた。 保管が難しい場合は、リサイクル業者などに問い合わせてほしいとしている。

もし子供が迷子になったら…。名前を呼ぶより効果的に見つける方法がこれだ

イメージ画像 もっと読む:【CA直伝】子どもと飛行機の旅、快適に乗りきる5つの方法とは? 過ごしやすい気候になり、休日に出かける機会も増えてくるこの季節。コロナ禍の制限が緩和され、観光地は混雑している。 そんな中で気をつけたいのが、子連れでのお出かけ。元気に走り回る子どもを連れての外出はただでさえ大変だが、混雑の場では小さな子は見失いやすく、親は注意が必要だ。 万が一見失ってしまった時は、どうしたら良いのかーー。 ある女性が、広い遊び場で3歳の子どもが迷子になった際、過去に動画で見たある方法が役に立ったとTikTokに投稿した。 クリスタさんはこれまで子どもを見失ったことはなかったというが、実際にその状況に陥り、その「方法」を思い出し実践したところ、すぐに子どもが見つかったという。 TikTok動画でクリスタさんは見失った瞬間の状況について語り、その後「他のお母さんが先に見つけてくれたんですが、私が普段の方法で探すよりもずっと早く見つかったんです」と続けた。 では、実際に彼女はどのようにして子どもを探したのだろうか? それは、親が子どもの名前ではなく、見た目の特徴を叫ぶ「Looking Loudly(大声で見る)」という方法だ。例えば、「小さな男の子、明るい緑のTシャツ、青の短パン、7歳、黒い髪」といった特徴だ。 幼い子どもが自分の名前に反応することに頼るのではなく、他の何十、もしくは何百という人たちに子どもを探すために警戒してもらうのだ。 2人の子を持つクリスタさんは、「子どもの名前を呼び始めたんですが、その後すぐ、1年前くらいに見たTikTok動画を思い出したんです」と述べた。 その動画は、スーパーで子どもを見失ったある母親によるもので、その子の名前を呼ぶ代わりに、その子が着ている服装の特徴を叫んだ、というものだったという。 「だから、私はそれを真似してみたんです。子どもの名前を呼ぶのをやめて、『小さな女の子、ピンクのシャツ、ピンクのミニーのシャツ…』と叫びました。周りの人は、私をちょっとおかしな人だと思ったでしょうね」 すると、周りの親たちもその内容を繰り返して叫び始め、数分後には他の親が見つけてくれ、クリスタさんはすぐに子どもと再会できたという。 クリスタさんは「本当に早く見つかりました」と語った。 投稿のコメント欄には、同様の方法で子どもを見つけた人を知っているといったコメントが複数あり、ある親は「1人の母親として、誰かが子どもの名前を呼んでいてもあまり気にかけないかもしれないですが、特徴を叫んでいたら、それは行動を呼びかけているものだと感じます」と述べた。 子ども向け絵本の著者であり3人の子どもの母親であるジェス・マーティーニさんは、これまでもこの方法についてTikTokで発信してきたが、過去の動画ではそれに加え、混雑した場所に行くときには子どもに明るい色の洋服を着せること、また外出前に子どもの写真を撮っておくことを勧めている。 ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。

東大の現役合格者に「いつ高校数学を学び終えた?」と聞いてみた。“中学受験組”はより早く…

あわせて読みたい>>私立大の受験から入学までの費用、過去最高の「◯万円」。早稲田、明治、中央など11大学の自宅外通学者 2023年の入試で東京大学に現役で合格した理系の学生の約8割が、数学Ⅲまでの高校数学の全範囲を高2の終わりまでに学び終えていたことが、東進ハイスクールなどの予備校を運営するナガセの調査で分かった。 ナガセは2023年に東京大学に現役合格した東進ハイスクールなどの予備校生にインターネット上で調査し、473件の回答を得た。 東大理系合格者の高校数学修了時期 調査結果によると、高校数学の全範囲を学習し終わった時期で最も多いのは高2で、46.6%を占めた。続いて高1(20.5%)と中学まで(12.4%)をあわせると、高2までに学習を終えた合格者は79.5%に上った。 中学受験を経て中高一貫校で学ぶ場合は、全体よりも多くの 83.2%が高2までに高校数学を学び終えていたことが分かった。 調査したナガセは「毎年、高校別の東大現役合格ランキングでは中高一貫校が上位を占める」と指摘。 「(中高一貫の)大多数の学校では、先取り(の学習)で高校範囲を早期に修了し、入試対策に多くの時間を割くカリキュラムが組まれている」ことが、中高一貫生の多くが早期に数学全範囲を学び終えていた背景にあると分析している。 高校から高校数学の学習を始めた東大現役合格者が、履修範囲を学び終えた時期も、年々早まっている。 高校から高校数学の学習をスタートした現役合格者の数学修了時期3カ年比較 高2までに学び終えた割合は、2021年は65.8%、2022年は69.1%、2023年は73.1%だった。2023年は、高1までに学習を終えたという合格者が26.9%と、前年の2倍以上に増えた。 ナガセは「2023年の(大学入試を受けた)高3生は、高校生活が丸々コロナ禍と重なった。さまざまな活動ができない中でも、将来に目を向け、目標のために自主的に先取り学習に取り組んでいたと考えられる」とコメントしている。 〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉

家賃5万7千円払えない 中高年シングル女性が直面する住まいの問題

 近年、日本の中高年シングル女性の多くが低収入にあえぎ、その理由として家賃負担が重いといった「住まいの問題」に直面する実態が明らかになっています。収入に対して住居費が占める割合が5割を超えるケースもみられます。50代単身女性をめぐる厳しい現実を取材しました。 【写真】視線の先には実家を出てさまよった新宿・歌舞伎町が広がる。女性を救ったのは「堂本剛」さんの声だった      ◇  どん底まで落ちた。  コロナ禍に見舞われた2020年の夏前、和田静香さん(57)は都内にある築30年以上の狭い賃貸アパートの一室で絶望していた。  当時のアルバイト先は、商店街の一角のおにぎり屋。休業期間が空けても感染におびえてシフトに入るのをちゅうちょしていると、店長からスマホで解雇を告げられた。 ■心にダメージを与えた「家探し」  家賃5万7千円は払えなくなる。フェイスブックで嘆くと、「空き家になっている実家の1階を格安で貸してもいい」と友人から申し出があった。それでも生活費の4割を占める。住み慣れた地域には知人が多く駅も近かった。引っ越したのは同年10月だった。  転居先は築年数が半世紀ほどの木造一戸建てだが、広さは3倍に。在宅ワークが中心のフリーランスにとってはありがたかった。  本業は音楽ライター。  20歳の時、音楽評論家の湯川れい子さんのアシスタントになった。時代はバブルの好景気。姉と暮らす家賃6万8千円の賃貸アパートから湯川さんの自宅兼事務所へ通った。  編集作業のほか掃除や買い物もこなしつつ、自分の記事を書いて雑誌に載せた。  1992年、27歳で独立。日本経済は下降線だった。それでもCDで音楽を聴く習慣は続き、物書きの仕事も途絶えなかった。  潮目が変わったのはリーマン・ショックの起きた2008年ごろ。CDが売れなくなり、音楽誌は次々廃刊に。バイトで生活費を補わざるを得なくなった。  コンビニ、パン屋、スーパー。合間にパソコンへ向かい、古巣の音楽業界だけでなく、ファンである相撲の記事も書いた。  もともと物欲がなく、外食もせず、買い物といえばCDぐらい。テレビ、洗濯機、机、本棚といった家財道具の大半は友人からのプレゼントや中古品で不満はなかった。  しかし雑誌の部数減に伴って原稿料は下がる一方で、ウェブ用記事はさらに安い。ライター業を続けるなら、現状より安い物件に転居して住居費を削るしかなかった。  この「家探し」が思った以上に心にダメージを与えた。  年齢はすでに40代後半。単身女性、フリーランス、貯金も少ない。  ラフなTシャツ姿で不動産屋をたずねると、若い男性社員は「だよねー」とため口で接してきた。希望の家賃に見合う物件は、外階段を上り下りする際に「カン、カン、カン」と音が響くアパートばかり。  丸1日かけてボロボロの部屋を何軒も回った夕方、休憩に立ち寄った公園で「もうここでいいや」と投げやりな気持ちになった。  公営住宅に入りたいと区役所の窓口へ相談すると、担当者は厳しい入居条件をいくつも示し、「病気になりなさい」と言った。あまりの侮辱に泣きながら帰宅した。  やっとのことで転居できても老朽化した部屋は水回りでトラブルが起きやすく、よくトイレが詰まった。  一帯は、築浅の洗練された戸建てが軒を連ねる住宅地。ある日の帰宅途中、近所の路上でキャッチボールする父子が見えて、きびすを返した。理由は「あのオンボロアパートに一人で住んでるおばさん」と思われたくなかったから。  「何もかもうまく行かずに卑屈になっていた時期。貧しくてみじめだった」 ■陥った生活苦、「これは自己責任なのか」  20年夏、和田さんが「どん底に落ちた」と思ったのは、もうアルバイトではごまかせないほどの低収入だと自覚したからだった。  出口が見えないコロナ禍でバイト先に解雇され、翌月の給与も未来も消えた。そして未知の感染症によって命の危機にもさらされている。「どうせコロナで死ぬんなら好きなことをやろう」と覚悟を固めた。  和田さん自身が今、生活苦に陥っているのは自己責任なのか。国会議員に質問をぶつけて検証する本を執筆することにした。  ほぼ1年間没頭して21年9月、「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。」(左右社)を出版した。出版不況の中、発行2万1千部と好調に売れている。  この本を書く上で、和田さんが一番驚いたのは「30歳未満の労働者の1カ月分の生活費に占める住居費の割合」(総務省「消費実態調査」から)だ。それによると約50年前は男女ともに数%程度だったが、最新データの14年は男性25%、女性26.2%と4分の1にまで膨らんでいる。  昨今、シングルマザーの困窮とその解消に向けて政治家が動くようになった。しかし単身で中高年になった女性たちの多くも低所得かつ住む場所に困っている実態には目を向けない。和田さんが対話した立憲民主党の小川淳也衆院議員(51)も、住宅問題については「自分の勉強が手薄だった。ごめんなさい」と謝った。  50代後半の和田さんがSNSで住まいについて発信すると、「ぜいたく言わずに郊外の団地へ移ったら」とか「実家に帰っては」などと助言する人がいる。  しかし、人には生活圏がある。住み慣れた地域だから他者とのつながりが生まれ、暮らしの中の問題点に気づき、政治への関心も芽生えていく。  そこには単身女性も暮らしていることを、世間は認めているだろうか。  「女が働きながら一人で暮らして老いていくって、そんなに悪いことですか?」(高橋美佐子) ■「住まいの問題」に直面する中高年シングル女性  民間団体「わくわくシニアシングルズ」(大矢さよ子代表)は昨年、40歳以上の単身女性を対象にウェブアンケートを実施。2345人から得た回答結果によると、主たる生計維持者は86.1%で、就労率も84.6%にのぼっています。  ですが正規職員44.8%と半数に満たず、非正規職員38.7%、フリーランス14.1%と雇用の不安定さが目に付きました。また年収200万円未満は33.3%、300万円未満に拡大すると56.9%。暮らしぶりは「大変苦しい」「やや苦しい」を合わせて7割近くになります。  苦しい家計に追い打ちをかけるのが「住まい」に関する出費です。公益財団法人「横浜市男女共同参画推進協会」が2021年秋、単身女性15人にインタビューをしています。  12人が民間もしくは公営の賃貸住宅、3人が分譲マンションに暮らしていて、家賃やローンに共益費などを加えた月平均の住居費は平均6.1万円でした。  収入に対して住居費が占める割合は3.5割以上が9人を占めており、5割を超えるケースが3人もいました。  インタビューを踏まえて同協会は、「行政からの家賃補助を望む声が圧倒的に多かった。さらにほぼ全員が家賃を安く抑えたいが、2階以上やオートロックなどの防犯面や通勤の利便性をどう確保するかで葛藤を抱えていた」としています。(高橋美佐子)

ベトナムからの訪日客、コロナ前より急増 他の国が減らす中、なぜ?

 ベトナムから日本を訪れる人の数が急増している。日本政府観光局(JNTO)の調査によると、今年1~3月は16万1千人で、コロナ禍の前だった2019年同期の1・3倍を超えた。他の大半の国や地域が減少する中、ベトナム人の増加は際立っている。 【写真】ベトナム・ハノイで「ルフィベーカリー」を営む元技能実習生  JNTOや地元メディアによると、1~2月は例年、観光で訪れる人の数は少なくなる傾向にある。しかし、今年はこの時期の訪日も多く、19年同期の1・4倍超に急増した。3~4月は桜シーズンで観光客が増え、新年度のスタートに合わせて留学生や技能実習生も訪れるが、3月だけで比べても1割以上増えた。  理由の一つに、日本で働く外国人労働者の数が増えていることが挙げられる。厚生労働省によると、22年10月時点の外国人労働者数は約182万人で、過去最多となった。そのうち4分の1以上がベトナム人だ。  技能実習生の半数以上をベトナム人が占めているのに加え、19年4月に新設された「特定技能」の資格で滞在する人も増えている。そうした人たちが1月の旧正月を故郷で祝うために一時帰国し、また日本に戻ってくることで、往来が多くなっている面もある。  日本政府は労働者の受け入れだけでなく、観光客の誘致も強化している。今年で日本とベトナムの外交関係樹立50周年となるのに合わせ、ベトナムの国民的歌手ドン・ニーさん一家が日本を観光するプロモーションビデオをYouTubeで公開。オンラインや屋外広告でのPRを増やしている。(バンコク=大部俊哉)

「常識では考えられない」花見客がゴミ大量放置…生ゴミが散乱し 火のついたままの“炭”まで【岡山さくらカーニバル】

河川敷の至る所に散らばった、食べ物の容器や空き缶、調味料が残ったボトル、ブルーシートも敷かれたままで、放置されています。 あまりの惨状に、「常識では考えられない!ばかたれが!」という怒りの声が。 これは、4月10日、岡山市で撮影された映像です。 この場所で、前日夜まで行われていたのは、約250本のソメイヨシノが咲き誇る風光明媚な河川敷で開催された、「岡山さくらカーニバル」。 コロナ禍で4年ぶりの開催ということもあり、約7万人が訪れお花見を楽しんだといいますが…。 祭りのあとに残されていたのは、一部の花見客による大量のゴミでした。 散乱するゴミからは異臭が漂い、カラスが集まってきています。 さらに、撮影者によると火がついたままの炭が、バーベキューセットともに放置されていたといいます。 撮影者: 今にもお肉が焼けるような状態で炭に火がついてまして。炎が上がってる状態で。 終わった後、そのままの状態というか。もう無法地帯の状態なのかなって。 衛生面だけでなく、火災の危険すらあったというお花見会場。 今回、予算削減などの理由からゴミ箱は設置せず「各自で持ち帰ってほしい」と呼びかけていたといいますが、結果、多くのゴミが散乱することとなってしまいました。 最終的には、ボランティアなどによってゴミは回収されたといいます。 祭りの実行委員会は、「めざまし8」の取材に対し、「ゴミの持ち帰りを事前に告知するなど、周知できなかったことを反省しています。今後、どのようにしていくか検討していきます」と話しています。 (めざまし8 4月14日放送)

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