さくらまつり期間中の予約でほぼ満室だったが…青森の老舗ホテルが破産
青森県弘前市上鞘師町の老舗ホテル「ホテルニューキャッスル」は3日、青森地裁弘前支部から3月31日付で破産手続き開始決定を受けたと発表した。 負債総額は約7億8000万円の見込み。同社は9日に宿泊客を送り出すのを最後に全ての営業を停止し、パートを含め従業員約80人は10日付で解雇する。既に弘前さくらまつり期間中の予約が入り、ほぼ満室状態だったが、予約客には断りの連絡をしているという。 同社や民間信用調査会社によると、ホテルニューキャッスルは1978年設立。弘前城に近く、宿泊や宴会、結婚披露宴などで利用され、1996年12月期には約15億円の売上高があった。その後経営が低迷し、2007年からは市内の住宅建設・リフォーム業「アルク」の100%出資を受けて営業を続けてきた。だが18年頃から宴会部門などの業績がさらに悪化、コロナ禍も追い打ちをかけて22年12月期まで5期連続で赤字を計上していた。 3日、市内で記者会見した土田剛社長は「長年愛していただいたお客様や市民に申し訳ない。従業員には他のホテルなどに再就職をあっせんしたい」と述べた。