台風13号、熱帯低気圧に 東北と関東甲信で警報級大雨の恐れ
台風13号は東海地方に接近した8日午後9時、熱帯低気圧に変わった。千葉、茨城、福島県では局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生し、3県の複数自治体で5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」が出された。千葉県内で土砂崩れにより一部世帯が孤立したり、神奈川県では強風によりけが人が出たりした。 気象庁によると、この熱帯低気圧は同日午後9時現在、日本の南をゆっくりと北東に進んでいる。中心気圧は1004ヘクトパスカル。気象庁は東北と関東甲信地方では、警報級の大雨になる可能性が引き続き高いとして、警戒を呼びかけている。 台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、台風の中心から離れた地域でも激しい雨が降り、3県のほか、伊豆諸島でも8日に線状降水帯が発生した。 気象庁によると、8日午後8時半までに、1時間雨量は、東京都三宅村123・5ミリ▽千葉県大多喜町109・5ミリ▽同県茂原市78ミリ▽茨城県日立市93ミリ▽同県鉾田市65・5ミリ――など9地点で観測史上最大となった。9日午後6時までの24時間に予想される雨量は、多いところで、東北、関東甲信地方が150ミリ。 緊急安全確保が発令された千葉県大多喜町では土砂崩れが発生して道が塞がれ、一部世帯が孤立。鴨川市浜荻では会社建物が浸水し、2階に避難していた男女12人が消防隊員に救助された。神奈川県では横浜市などの60~90代の女性7人が強風で転倒し、軽傷を負ったほか、茅ケ崎市で20代男性が風で飛んできた物に当たり顔に軽いけがをした。 大雨の影響で交通機関も乱れた。JR東日本によると、8日は始発から東海道線や中央線特急などが運転見合わせや運休となった。千葉県内では、線路が冠水するなどして内房線や外房線、久留里線など広範囲で在来線が終日運休となり、9日も内房線と外房線の一部で終日運転を見合わせる。【島袋太輔、秋丸生帆、林帆南】