新潟市北区の田んぼで通常の7倍にもなる塩分が検出されました。イネは茶色く枯れてしまい、田んぼを所有する農家は落胆しています。塩水が流れ込んだ理由とは… (リポート) 「今、新潟市北区の阿賀野川近くの田んぼでは異変が起きています。一面茶色く枯れてしまった田んぼが広がっています」 一面に広がる茶色く枯れたイネ… 本来であれば収穫の時期を迎えていたコシヒカリです。 農家の古沼光雄さん。阿賀野川の河川敷でコメ作りをしてきました。 異変があったのは8月上旬のこと。 猛烈な暑さが予想されていたことから阿賀野川から水を引き田んぼにためたところ思わぬ事態となりました。 〈農家 古沼光雄さん〉 「青かった稲がだんだん赤くなっていくんです。そして黒くなっていく。(川の)水を飲んだら、ものすごいしょっぱかったんです。(農家を)55年やっていますが初めてです」 コメが枯れてしまった原因は塩水でした。 8月25日、新潟大学農学部の三ツ井敏明教授が土壌調査をしたところ田んぼから通常の7倍の塩分が検出されました。 連日の雨不足により阿賀野川の水位が下がり、海水が逆流してきたとみられています。 JA新潟市によると、こうした塩害は約11ヘクタールの田んぼで確認されています。 〈農家 古沼光雄さん〉 「実はついたけれど塩水で実がなる前に枯れてしまった。ことしは完全に赤字ですね。つらいです。本当に」 古沼さんは塩害が来年のコメ作りにも影響を及ぼすのではないかと不安を募らせています。 〈農家 古沼光雄さん〉 「来年の春、たぶんこのまま作ると塩が残っていると来年も満足なコメができない」 広がる猛暑と雨不足の影響。 新潟大学の三ツ井教授は雨や雪で塩分は自然に流れていくとみていて引き続き調査を続けるとしています。