Tuesday, June 6, 2023

アストンマーチン、F1スペインGPでライバルに敗北も冷静「勢力図に変化があると言うには時期尚早」レース中のペース変動が課題に

 アストンマーチンはF1スペインGP決勝でランス・ストロールが6位、フェルナンド・アロンソが7位という結果に終わった。一方でメルセデスは好調さを見せ、優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンに次ぐダブル表彰台と勢力図に転換期が訪れたとも言える。  しかしアストンマーチンのマイク・クラック代表は、最速レッドブルの次に並ぶのがメルセデスだと見るのは時期尚早だと考えている。  アストンマーチンは前戦モナコGPまでに6戦中5回でアロンソが表彰台を獲得してきたが、スペインGPでは週末を通して比較的苦戦していた。  レースではメルセデス勢に太刀打ちできず、ストロールはスタートで3番手に上がるもルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセルに先行された。予選でミスがあったアロンソは、レース後半こそ好ペースで順位を上げていたものの、レース序盤にペース不足に悩まされた。  クラックは特にスタート時に使用したソフトタイヤでのペースが悪かったとレース後に振り返っている。 「特にソフトタイヤでの第1スティントのペースに関しては、少し残念に思っている」とクラックは言う。 「直接的なライバルと比べると、正直ペースが足らなかったんだ。何台かが我々を抜いていったのに対して、我々は序盤のギャップがかなり大きく、その原因を理解する必要がある」  そしてクラックは次のように続ける。 「我々が仮に2番手からスタートしていたとしても、レースの序盤、最初の15周でメルセデス勢を引き離すのは難しかったと思う」 「1周0.5~0.7秒遅かった時もあると思う。これは我々が理解する必要のあることだ」 Lewis Hamilton, Mercedes F1 W14, Lance Stroll, Aston Martin AMR23 Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images  メルセデスはモナコGPで新パッケージをマシンに投入しており、総合力が求められるカタルニア・サーキットが舞台のスペインGPがアップデートのパフォーマンスを評価する機会として考えられていた。  真価が問われるスペインで、メルセデスはダブル表彰台。一方でここまで好調だったアストンマーチンが6~7位……こうした結果から、レッドブル以下の勢力図に変化があると思うか、とクラックに尋ねると彼は次のように答えた。 「いや、そうは思わない。ハードタイヤを履いたレース後半を例とすると、我々は充分に戦えていたからね」 「我々はレース序盤に何が起こったのかを理解する必要がある。晴天から曇天になるのが早かったから、ソフトタイヤが有利になると考えていたんだけどね」 「だから、原因を理解する必要がある。特にレース中、時間帯によって競争力に差があったということをね」 「予選の時点でも全体像は見えていなかったから、それ(勢力図の変化)を言うのは時期尚早すぎるし、短絡的すぎるだろう」 「3レースで自分たちの本当の位置を確認する必要がある、と今年の始めに言ったのと同じようなことだと思う」 「他のチームが大きなステップを踏んだ可能性もある。ただ今のところ、我々の初期分析では、それは現れてきていない」  スペインGPを終えてコンストラクターズランキングではメルセデスが152ポイントで2番手に浮上。アストンマーチンとの差を18ポイントとした。 Follow @MotorsportJP関連ニュース:アロンソ、ホームで表彰台ならず「最大の問題はペースがなかったこと」予選でのミスも後悔メルセデスF1、F1スペインGPでのダブル表彰台が復活へ向けた”兆し”に? 「今後の展開を予感させるレース」とラッセルメルセデス、F1スペインGP決勝終了後に罰金1万ユーロ。パルクフェルメ規定に違反角田裕毅、スペインGPのペナルティに憤慨「とっても不公平だし、馬鹿げた裁定だ」周冠宇、F1スペインGPでの角田裕毅とバトルは「僕が避けなきゃクラッシュしてた」角田へのペナルティで今季2度目の入賞

大クラッシュで赤旗終了、控訴によりGT500の結果は未だ確定せず……波乱のレースを改めて振り返る|スーパーGT第3戦鈴鹿:決勝レポート

 6月4日、三重県の鈴鹿サーキットで2023スーパーGT第3戦の決勝レースが行なわれた。GT300クラスの優勝は7号車Studie BMW M4となった一方、GT500クラスは19号車WedsSport ADVAN GR Supraの優勝となっているものの、NDDP RACINGの控訴により正式結果が確定していない。  大荒れの開幕戦岡山、ゴールデンウィークの第2戦富士を終え、第3戦の舞台は鈴鹿。富士戦に続いて450kmレースとなり、周回数は77周だ。  レースウィークは搬入日こそ豪雨に見舞われたものの、予選日・決勝日は晴れ。気温28℃、路面温度46℃と、今週末で最も暑いコンディションの下、13時30分からレースがスタートしていった。 【GT500】  前日に行なわれた予選は波乱の展開となった。Q2では24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zと19号車WedsSport ADVAN GR Supraのヨコハマタイヤ勢が、前戦ウィナーの36号車au TOM’S GR Supraを挟んでの1-3。しかしトップタイムの24号車は燃料タンクに規定の100Lよりも0.6Lほど多くの燃料が搭載できる状態となっていたことから、予選タイム抹消。最後尾スタートを強いられた。したがってフロントロウは36号車、19号車の順だ。  レース序盤の数周は順位変動もほとんどなく、静かな立ち上がりとなった。19号車WedsSportの国本雄資は、トップを走る36号車au TOM’Sの坪井翔を1〜2秒の差で追いかけており、7周目には1号車MARELLI IMPUL Zのベルトラン・バゲットが100号車STANLEY NSX-GTの牧野任祐を抜いて3番手に浮上した。  8周目にはGT300クラス車両のストップによりフルコースイエロー(FCY)からセーフティカー(SC)に。レースは13周目から仕切り直しとなった。  レースが約4分の1を消化した18周目から、GT500のピットは慌ただしくなっていく。18周終了時の23号車MOTUL AUTECH Zを皮切りに、3番手を走る1号車IMPULなど、25周までに約半数が1回目のピットに。いずれも最大運転時間の兼ね合いからドライバー交代はせず、スタートドライバーが“ダブルスティント”を担当する作戦だ。  ドライバー交代を伴うピットストップを最初に行なったのは、36号車au TOM’Sを追いかけていた2番手の19号車WedsSport。26周を走り、阪口晴南にバトンタッチした。  そんな中、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛と64号車Modulo NSX-GTの太田格之進がヘアピンで接触。予選5番グリッドを確保していた39号車だったが、空力パーツが脱落するなど接触の影響は大きく、ペースを落として順位を下げてしまった。  トップを走る36号車au TOM’Sは、29周を終えてピットに。宮田莉朋に交代してコースに戻ったが、19号車WedsSportに先行され、戦略が異なるとはいえ1号車MARELLI、23号車NISMOにも先行された。  34周目、24号車リアライズがようやくピットインすると、これで全車が1回のピットストップを完了したことに。トップ5のオーダーは19号車WedsSport、1号車IMPUL、23号車NISMO、36号車au TOM’S、16号車ARTAだ。  2回目のピットに真っ先に動いたのは、2番手を走っていた1号車IMPUL。トップの19号車の1秒差まで肉薄していたが、42周目にライバルに先んじてピットに入り、ドライバー交代も含めてフルサービスでコースに戻った。しかし4周後に入った19号車WedsSportは既にドライバー交代を済ませていたためロスタイムが短く、悠々と1号車の前でコースに戻ることができた。  ステイアウトは3号車Niterraのみで、そこに19号車WedsSport、36号車au TOM’S、1号車IMPULが続くという中で迎えた59周目、シケイン手前で大クラッシュが発生した。GT300クラスの車両と絡んだ23号車NISMOの松田次生が、イン側のバリアに激突。マシンはモノコックを残して大破し、セーフティカーが出された後に赤旗が掲示された。幸い松田には意識があり、ドクターヘリで病院に反応された後、大きな外傷はないことが明らかになったという。  レースはその後再開されることなく、赤旗をもって終了。暫定リザルトは優勝が3号車Niterra、2位19号車WedsSport、3位36号車au TOM’Sとなったが、今回のレースで義務付けられている2回の給油を完了できていない3号車の結果に対し、多くのチームから抗議が寄せられた結果、暫定リザルトが改訂。3号車は60秒加算で4位となり、19号車の優勝となった。  ただ3号車陣営はこの裁定に控訴の意思を表明しており、正式結果は控訴結果が確定するまで保留とされている。 【GT300】  GT300クラスのポールポジションは、今季初となる61号車SUBARU BRZ R&D SPORT。ポール常連の61号車は開幕2戦で共にQ1敗退の憂き目に遭っていたが、ようやく持ち前の速さを発揮した格好だ。フロントロウの2番グリッドには11号車GAINER TANAX GT-Rが並んだ。なお、25番グリッドの30号車apr GR86 GTはピットレーンからのスタートを選択した。 […]

レッドブルすげえ! エンジニア出身マクラーレンF1代表、モナコで明かされたフロアに脱帽「速い理由が分かった」

 モナコGPで明かされたレッドブル『RB19』のフロアについて、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は「脱帽だ」と述べている。  モナコGPではルイス・ハミルトン(メルセデス)がフリー走行3回目、セルジオ・ペレス(レッドブル)が予選でクラッシュを喫したことで、クレーンでのマシン回収の際にメルセデス『W14』とレッドブル『RB19』のフロアが数多くのカメラマンによって撮影された。  現行F1マシンがグランドエフェクトカーとなったこともあり、各F1チームはフロアのデザインに関して秘密を守ろうとしてきた。それだけに、モナコで撮られたフロア写真は大きな話題を呼んだ。  サーキットの特性上モナコは退避路が少なく、マシンがコース上に停止した場合にはトラックではなくコース脇に設置されたクレーンで釣り上げ、コース外に排除することが多い。メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、こうした事態を想定して戦略的にカメラマンをコースに配置していると認めている。  スペインGPでは各チームの代表に対し、RB19のフロアを研究しているかとの質問が飛んだ。エンジニア出身であるマクラーレンのステラ代表は、RB19のフロアの複雑さに感心しているようだ。 「個人的にも時間をかけたが、マクラーレンにいる100人の空力担当はもう少し時間をかけるだろうね」とステラは言う。 「確かに、(フロアは)とても興味深かった。そして、複雑さと開発の質の高さを物語っていた」 「正直これを見た時、私は『レッドブルには脱帽だ』と言葉が漏れた。なぜ彼らがああいうパフォーマンスを発揮できているのか、理解できたよ」 Andrea Stella, Team Principal, McLaren, in the team principals Press Conference Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images  またフェラーリのフレデリック・バスール代表は、チームがお互いのデザインに強い関心を持つのは普通のことだとしながらも、写真を見ただけでコピーすることはできないと強調している。  そしてマシンパフォーマンスはそれぞれのパーツが組み合わさってこそだとして、フロアのデザインはその他のパーツと表裏一体だと主張している。 「我々はみんな、ライバルマシンの写真を沢山持っていると思う」とバスールは言う。 「ただひとつのパーツではなくコンセプト全体の問題だから、コピーすることは極めて難しい、あるいは不可能だ」 「マシンの一部だけをコピーすることはできないのだ」  そのフェラーリはスペインGPで新たなサイドポンツーンを投入し、パドックの注目を集めた。  アストンマーチンのマイク・クラック代表も「私もフェラーリのガレージ前にいたよ」と語り、次のように続けた。 「常にライバルを見ている。何が新しいのか、新しいパーツは何か。それはいつも変わらない」 Follow @MotorsportJP関連ニュース:フロア写真は空力エンジニアの”大好物”! モナコGPで宙吊りにされたレッドブルRB19を「舐め回す」とメルセデスメルセデスの空力専門家、モナコで撮影されたレッドブルのフロアを”綿密に”分析中「我々のカメラマンが猛烈な勢いで撮影している」レッドブル、モナコでRB19のフロア晒されるも「ライバルが追いつくのは難しい」秘蔵写真は既に流出していた?ポーパシングとの戦い再び? 最終コーナーでの振動に、マクラーレン代表「サーキット固有の問題」F1はミリ単位の世界。マシン開発の今をマクラーレン代表が語る「パフォーマンス改善の要因は目に見えない」

F1モナコGP予選、角田裕毅がQ3進出! Q1の2番手に続き、Q2を9番手で通過

 アルファタウリの角田裕毅が、F1モナコGPの予選Q3進出を果たした。アゼルバイジャンGPに続き、今季2度目のQ3進出だ。  角田は予選Q1から3セットのソフトタイヤを使うアグレッシブなタイヤ戦略で上位を目指した。その戦略が功を奏し、一時はタイムシートのトップにつけた。  その後、フェルスタッペンが再度のアタックで角田を上回ったものの、角田は2番手でQ2に駒を進めた。  Q2でも激しいアタック合戦が繰り広げられたが、角田は最初のアタックでタイヤをロックさせてしまった。しかし一旦ピットに戻った角田は、終盤のアタックで7番手タイムをマークする渾身の走り。最終的に9番手でQ3進出を果たした。 Follow @MotorsportJP関連ニュース:モナコ・モンテカルロが生んだ名勝負。日本F1ファンの心に残るモナコGPトップ3|追憶のグランプリレッドブル一歩リードか、フェルスタッペンFP3トップ。ハミルトン速さ見せるもクラッシュ|F1モナコGPF2モナコ|岩佐歩夢、スプリントレースを完勝! 今季3勝目でポイントリーダー返り咲きホンダF1復帰を知っていれば、自社PU部門なんて絶対作らなかった……レッドブルのホーナー代表、その心の内はいかにメルセデス、投入決断したアップデートに感触上々。ハミルトン「改善されたことを間違いなく実感できた」

フェルスタッペン、ホンダのアストンマーティンへのくら替え嘆く

【AFP=時事】フォーミュラワン(F1世界選手権)に参戦するレッドブルのマックス・フェルスタッペンは25日、かつてチームとタッグを組んでいたホンダが2026年シーズンからアストンマーティンのエンジン供給元としてくら替えすることを嘆いた。  選手権2連覇中のフェルスタッペンは、2021年にF1から撤退したばかりのホンダが、アストンマーティンの独占エンジンサプライヤーとして復帰する決断を下したことに失望感をあらわにした。  レッドブルはホンダとの関係解消後、独自のパワーユニット部門を設立し、すでに2026年のエンジン開発でフォードとの提携に合意している。  しかしながら、フェルスタッペンは「今回の経緯は不運だ」と述べ、「彼らがアストンマーティンに行ってしまうのは、少し残念と言うしかない」とコメント。さらに、「これからフォードと一緒に何が起きるのか、全員がわくわくしている」としつつ、アストンマーティンが「素晴らしいエンジン」を搭載することになるとも認めた。  フェルスタッペンはまた、今年で80回目を迎える第6戦モナコGPについて、シーズンにおいて最も難しいレースであるとしながらも、他のGPより価値が高いわけではないと述べた。  今季はここまで5戦中3勝を挙げてドライバーズ選手権で現在トップに立っており、チームメートで昨季のモナコGP王者セルヒオ・ペレスを14ポイント差の2位に抑えている。(c)AFP 【翻訳編集】AFPBB News

ホンダの”カレックス製”新シャシー評価は上々? ミルはほとんど試せずも、テスト担当ブラドルには好評

 MotoGP第4戦スペインGP翌日の5月1日、ヘレス・サーキットで公式テストが行なわれた。各メーカーが今後の戦いに備えて新パーツをテストしているが、ホンダの持ち込んだ新シャシーはまずまずの評価を得られているようだ。  ホンダは第3戦アメリカズGPでアレックス・リンス(LCRホンダ)が勝利を収めているものの、全体としてはここ数年の苦戦から脱しきれていない。  彼らは新しい試みとして、Moto2のシャシービルダーで著名なカレックスにRC213V用のシャシー製造を依頼していたことが判明し、このヘレステストで完成品がテストされた。  午前中はテストライダーのステファン・ブラドルが、午後にミルが新シャシーのテストとなったが、ミルは電装系にトラブルが発生してしまったため、新シャシーをほとんどテストすることができなかった。 「全体的に少し混沌とした1日だったし、やることが沢山だったね。今朝のプランではフェアリングなどエアロダイナミクスのパーツを試すことだった。この分野では改善の余地がまだまだあるんだ」  ミルはそう語る。 「(新パーツは)高速コーナーでのコーナリングと、ウイリーを抑止するのに役立ちそうだ。ブラドルが今週末(スペインGP)で乗っていたものだけど、悪いものじゃなかった」 「プレシーズンテストで乗ったことのあるシャシーもテストしたけど、より良い感触を得られた。その後はクラッシュしたこともあって、ひとつしかないフェアリングをダメにしてしまった。これは言うまでもなく良くなかった」  そしてミルはブラドルからの話としては、新シャシーをかなり気に入っていたようだと明かしている。 「午後遅くには、ブラドルも試していた新シャシーをテストしたんだ。でも不幸なことに1周するとバイクに電気的なトラブルが発生して止まってしまって、ボックスに戻らなくちゃいけなかった」 「だから僕はテストできていないし、1周でとやかく話すことはできないよ」 「バイクはポジティブなモノがあって、コンセプトが異なっていることに気がついたけど、急いで何か言いたくはない」 「ブラドルは午前中に乗ることができたから、そこからの情報はある。彼のライディングスタイルは少し違うけど、これが良いと思っているようだ。話をしたところによると、かなり好印象を持っているようだった。それはポジティブなことだろう」 Follow @MotorsportJP関連ニュース:MotoGPヘレステスト|スペインGP翌日の公式テストはベッツェッキが最速。新シャシー投入のホンダ筆頭に各メーカー新パーツを試すダニ・ペドロサ、久々レースで受けるファンの大歓声に感激「泣きそうだった」FIM、女性ライダー限定世界選手権を2024年から新設。世界最速を決める”最終目的地”という位置づけにリンスのホンダ移籍後初優勝、鍵は『スズキ時代の教育』? 元エンジニアが指摘マルケス、ホンダ離脱の可能性はある? 大物ウェイン・レイニーまでも“移籍”の憶測に言及

【WRC】トヨタの豊田章男会長が事故死したライバルチームのブリーン選手を追悼「我々の強力なライバルであり、大切な仲間でもあった」

 世界ラリー選手権のトヨタチームの会長を務めるトヨタ自動車の豊田章男会長が24日、第4戦クロアチアラリー直前に行われたヒョンデのプライベート走行テストで事故死したクレイグ・ブリーン選手に追悼のコメントを寄せた。  「先日、我々の強力なライバルであり大切な仲間でもあったドライバーを失いました。亡くなったクレイグ・ブリーン選手、そのご家族、チームの皆様に哀悼の意を表します」と33歳の早すぎる死を悼むとともに「今大会は、全てのラリー仲間たちがブリーン選手のことを想いながら走っていたように感じます。そのような大会で、ブリーン選手のかつてのコドライバーであったスコット(・マーティン)が、表彰台の一番高いところに立てたこと、良かったと思います。スコットおめでとう」と続けた。  クロアチアラリーではトヨタのエルフィン・エバンスが2021年のフィンランドラリー以来、2年ぶりの勝利を飾り、コドライバーのマーティンとともに表彰台のてっぺんに立った。  章男会長はブリーン選手について「『運転を楽しむことの大切さ』について、よく話されていたそうです。今回のエルフィンは、きっと心から運転を楽しめていたから、あの笑顔だったのだと思います」と率直な思いも明かし、「ラリーが好きで、運転を楽しもうとする我々にとって、今回の事故は、本当にショックで痛ましい出来事でした。今後、こんな悲しいことが起きぬよう、やれる限りの対策を、我々は必死に考えて実行していかなければならないと思います」と重く受け止めた。(写真はAP)

F1オーストラリアGPはチェッカー後も大混乱。レース進行中にも関わらず観客がコースに進入し、4回目の赤旗掲出……プロモーターに”是正計画”提出命令

 赤旗中断3回と、大混乱のレースとなった2023年のF1オーストラリアGP。その混乱はレース中だけでなく、チェッカーフラッグが振られた後にも続いた。まだレースが完全に終わっていない間に、観客がコース上に進入してしまったのだ。  FIAはこれについて問題視。国際競技規則に違反しているとして、F1オーストラリアGPのプロモーターに対して、「正式な是正計画をFIAに早急に提出する」ことを指示した。  FIAの説明によると、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがトップチェッカーを受けた直後、「大勢の観客がセキュリティラインを破り、レースがまだ進行している間にコースにアクセスした」という。この結果、4回目の赤旗が振られたという。確かに17時35分にチェッカーフラッグが振られた後、17時37分に赤旗が出されている。  なおこの時観客は、ターン2のコース脇に停まったハースのニコ・ヒュルケンベルグのマシンに触れることができる状況にあったという。この時のヒュルケンベルグのマシンは、レッドライトが点灯している状態。つまりマシンは、放電の可能性がある危険な状態であったと、スチュワードは説明している。  これによりFIAは、イベント主催者がFIAの国際競技規則の第12.2.1.h条に違反していたとして、プロモーターに対して「正式な是正計画をFIAに緊急に提出する」ことを求めた。 Fans at the end of the race Photo by: Lionel Ng / Motorsport Images  スチュワードは「イベントのために実施されることが期待されていたセキュリティ対策とプロトコルが実施されなかったため、観客、ドライバー、レース関係者にとって危険な環境になった」と結論。この問題は世界モータースポーツ評議会に付託され、「提出される改善計画にさらなる手順を追加する必要があるかどうか、そして罰則を適用する必要があるかどうかを判断するため、さらなる調査が行なわれる」とした。  プロモーターのAGPCは、今回の状況がどのように発生したのか、そしてファンが本当にヒュルケンベルグのマシンに触れることができる状態にあったのかを調べるという。この手順はFIAによって審査され、地元の警察とも協力の上実施されるという。  プロモーターはこの調査を行なう期間として、2023年の6月30日までの猶予を求めているが、スチュワードはその期限についてはFIAの承認が必要であるとしている。 Follow @MotorsportJP関連ニュース:ハースF1のオーストラリアGP最終結果に対する抗議は棄却。争点は「すべての車両の位置を決定することが可能な最終時点」ピエール・ガスリー、出場停止を回避。F1オーストラリアGP終盤にオコンと同士討ちもお咎めなし【動画】2023年F1第3戦オーストラリアGP決勝ハイライト角田裕毅、今季初入賞10位も「複雑な心境」とコメント。ペース足りず大幅ポジションダウンの中盤……終盤の“幻の5番手”など波乱万丈のレースにホンダF1の挑戦は2026年以降も続く? PU開発率いた浅木泰明、勇退を前に「再参戦の可能性がゼロなら今までやっていない」

アレックス・リンス「マルケスの使っていたシャシーはポジティブ。ミルのシャシーも試したい」

 MotoGP第2戦アルゼンチンGPで、LCRホンダのアレックス・リンスは欠場中のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が使用していたシャシーをテストした。  マルケスは開幕戦で転倒したことで右手を負傷。第2戦は欠場することになったが、彼の不在で宙に浮いたマシンが出るため、ホンダはリンスにマルケスが使っていたシャシーをテストさせることにした。 関連ニュース:ホンダのマシンはオーバーテイクができん! アレックス・リンス「2年前のスズキ時代の苦戦を思い出す」  リンスは初日の走行を終えると、総合10番手タイムを記録。予選で直接Q2進出となるポジションを確保している。  セッション後の取材でリンスは当然、マルケスの使っていたシャシーとの比較についてコメントを求められることになったが、ポジティブな評価を下している。 「僕らにとってベストな選択肢なのかどうか、シャシーを比較していた」 「ユーズドタイヤで、しかも別のシャシーへの乗り換えだったけど、ペースは悪くなかった」  リンスはトラクションの点ではまだ改善が必要としつつも、コーナリングで「ブレーキを離して曲がれる」点が違いであり、ポジティブな点だと語る。  また彼は、マルケスのチームメイトであるジョアン・ミルが使用しているシャシーも比較のためにテストしてみたいと語った。 「アクセルを開けると、スライドしてしまうんだ。コーナーを速く立ち上がれているとは思わない」 「マルクのシャシーには、僕が使っていたのと比較してポジティブな点がある」 「ジョアンも別のシャシーを使っているから、ホンダにはそっちも僕がテストすることがマシンを改善するための最善の方法だと話をしている。彼らがどうするかは分からないけどね」  またリンスはホンダ・RC213Vはグリップ面で厳しいところがあるとも明かしている。 「このコースもグリップが良いとは言えないけど、そこは僕らがプレシーズンテストから抱えている問題でもある。このマシンはグリップを発揮させるのが難しいんだ。マシンそのものや電子制御のせいか、スズキの方が少しラクだったかもしれない」 Follow @MotorsportJP関連ニュース:バイクのフィーリングが普通じゃない! ヤマハのクアルタラロ、原因不明の”遅さ”に悩む「最悪だ」予選Q2へ直接進出の中上貴晶、初日は「良い感じで走らせることができた」ライバルとの比較ではまだ足りない部分も?今年もアルゼンチンではアプリリアが最有力? エスパルガロ「僕らのバイクがここに合っているワケじゃない……他よりはマシだけどね」MotoGPアルゼンチンFP2|アプリリア進撃続くエスパルガロ最速&ビニャーレス2番手。中上貴晶が予選Q2直接進出

王者トヨタ、完勝のワンツーフィニッシュ。ハイパーカーのライバル蹴散らす|WEC開幕戦セブリング1000マイル

 FIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦セブリング1000マイルの決勝レースが行なわれ、トヨタの7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)が優勝。僚友8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)も2位となった。  トヨタは、フェラーリやキャデラック、ポルシェといった新たなライバルたちを退け、見事にWEC”新時代”最初のレースで完勝を収めた形だ。  予選では、新型車両499Pでハイパーカークラスに参戦してきたフェラーリの50号車がポールポジションを獲得。8号車が2番手、7号車が3番手に続いた。 #50 Ferrari AF Corse Ferrari 499P: Antonio Fuoco, Miguel Molina, Nicklas Nielsen Photo by: JEP / Motorsport Images  現地時間12時に1000マイル(268周)、または8時間で争われるレースがスタート。ホールショットを決めた50号車が序盤をリードしたが、レース開始から10分を前に出動したセーフティカー(SC)中にピットストップしたことが裏目に出てしまい、順位を落とした。  これでトヨタの2台がレースの主導権を握ることに。他ハイパーカークラスの車両よりもペースに優れ、優勝争いは完全に2台の一騎打ちとなった。フルコースイエロー(FCY)などもあって、何度か2台の差が縮まった瞬間があったが、4時間経過を前にコース上で小林がハートレーをパスし、7号車が首位に立った。  他のハイパーカーがトラブルやペナルティを受ける中、王者トヨタは盤石な戦いぶりを披露。7号車が8号車よりも2秒先にチェッカーを受け、ワンツーフィニッシュでシーズン最初のレースを制した。  3位はフェラーリやポルシェ、キャデラックが争ったが、フェラーリ50号車が表彰台を確保。序盤のピットストップで遅れた上、2度のペナルティもあってトヨタへの挑戦権を失った。SC中にGTEマシンをオーバーテイクしたとしてドライブスルー、FCYの手順が正しくなかったとして5秒のタイム加算ペナルティを受けている。  2号車キャデラックVシリーズ.Rは4位。一時は3番手を走っていたが、FCY中に違反があったとしてこちらもドライブスルーペナルティを受けている。  ペースが苦しかったポルシェは5号車、6号車がそれぞれ5位、6位。5号車はFCY中の違反でドライブスルー、6号車はピットでなかなか発進できず、システムをリセットするシーンが見られた。  LMP2クラスより先にフィニッシュできたのは、この6位まで。フェラーリ51号車はGTE車両と接触、ペナルティもあって総合15位と後方に沈んだ。  散々のレースとなったのは、プジョーの2台。94号車はギヤボックストラブルを抱え、スタート直前にピットに飛び込んだ他、チームメイトの93号車も同様にギヤがスタックするという症状に見舞われた。94号車はエナジーストアにもトラブルが起き、長い時間をピットで過ごした。  また、93号車はFCY導入で減速した4号車ヴァンウォール・バンダーベル680に追突するというクラッシュも引き起こしている。  結果としてヴァンウォール4号車が総合30位、プジョーは93号車が31位、94号車が32位に終わっている。  グリッケンハウス708号車は、電気系トラブルに見舞われてコース上でストップ。レースを再開することはできず、62周を走ったところでレースを終えた。  LMP2クラスは、戦略の違いで最後の数分まで結果が分からない展開となったが、レース前半をリードしたユナイテッド・オートスポーツ23号車がマシントラブルでリタイアした後に首位に躍り出た48号車JOTAがクラス優勝を飾った。  LM-GTE Amクラスは、コルベット・レーシング33号車が優勝。木村武史も良い走りを見せたケッセル・レーシング57号車フェラーリがクラス2位となっている。星野敏と藤井誠暢がドライブするDステーション・レーシングの777号車アストンマーチンは、クラス10番手でレースを終えた。 Follow @MotorsportJP関連ニュース:トヨタ、WECハイパーカー新時代初のポールは逃すも決勝に自信アリ。小林可夢偉「準備はしっかり整っている」トヨタを下してポール獲得! フェラーリのフォッコ、西日に苦しみながらもアタック完遂……フリー走行から1.7秒ものタイムアップ新時代WEC、ポールポジション第1号はフェラーリ! トヨタ勢は2、3番手|WEC開幕戦セブリング予選ライバル勢に”興味ナシ”。WECトヨタの小林可夢偉、ハイパーカー競争激化も我関せず……ただし「フェラーリは速いかも?」冷えたタイヤもお手の物! WEC、タイヤウォーマー廃止もトヨタの小林可夢偉&平川亮は「スーパーGTやSFで経験済み」 WEC セブリング1000マイル – 決勝結果 順位#ドライバークルマクラス周回数タイム 1 7 ホセ・マリア ロペス Toyota GR010 – Hybrid HYPERCAR 239 – 2 8 […]

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