「菓子パン・食パンは太る」って、本当の話? 太らない食べ方はある?【管理栄養士が解説】
食パン・菓子パンは太るって本当? 結論から申し上げると、基本的にはパンなどの炭水化物も適量摂っている分には太りません。ちなみに適量というのは、1日に摂りたいカロリーの半分くらいを炭水化物で摂ること。この範囲ならば、食べすぎではないので太ることはありません。 とはいえ、ご飯と比べるとパンのほうが太りやすい要素を持った炭水化物群であることも確か。炭水化物を摂る時にポイントとなるのは、血糖値を急激に上げない(=体脂肪になりにくい)食べ方やチョイスをすることです。 実は穀類は精製されたものほど血糖値が上がりやすいとされていて、粒のお米を炊くご飯のほうが、粉で作られるパンよりも太りにくいといわれるのも事実です。 また、菓子パンは注意が必要です。パンと呼ばれていますが、その成分はほとんどお菓子に近いもの。菓子パンを食事代わりにするのは、ケーキ類を食べているのと同じ。残念ながら、ダイエッターが常食するのはご法度なのです。 では次に、食パンと菓子パンそれぞれの太りやすい原因と、太らないための食べ方をご紹介します。 食パンの太りやすさの理由…塗るものや食べ合わせがポイント! まずは食パン1枚分のカロリーを見ていきましょう。 ・8枚切り……126kcal ・6枚切り……169kcal ・5枚切り……204kcal ・4枚切り……255kcal ご覧のように食パンは1~2枚食べている分には、太る心配はありません。ご飯一膳200kcalくらいとさほど変わりがないからです。 ただし注意したいのは、食べ合わせ。食パンはそのまま食べることが少なく、何かを塗ったり、サンドイッチにしたり、カロリーの高いおかずと食べることが多いもの。特に油脂分が多い素材や糖分の多い素材との食べ合わせに注意しましょう。 【パンに塗るもののカロリー例】 ・マヨネーズ(15g)……100kcal ・バター(8g)……56kcal ・マーガリン(8g)……57kcal ・いちごジャム(8g)……20kcal 【サンドイッチのカロリー例】 ・コンビニのサンドイッチ1パック……311kcal ・カツサンド……664kcal 食パンの太りにくい食べ方 まずは、食べて良いパンの適量を守ること。1日1600kcalを目標にしている場合、炭水化物で摂りたいのは50%分の約800~900kcalです。1食分としては、食パンの8枚切り2枚、6枚切り1.5枚、5枚切り・4枚切りでは1枚が目安。食べ過ぎに注意しましょう。 そして、パンに何かを塗る場合は、量に要注意。たっぷりつければその分ハイカロリーになります。バターとジャムを塗るだけで、薄めの食パンを1枚余計に食べたのと同じくらいカロリーアップに……。市販の低カロリースプレッドなども上手に活用すると良いでしょう。 また、粉の精製度合いという観点からは、白いパンよりも雑穀などが入った茶色のパンのほうが体脂肪合成がゆるやかで太りにくいと言われています。シンプルな食パンの中でも、ライ麦や全粒粉入りの食パンを選ぶのも良いでしょう。 菓子パンの太りやすさの理由…お菓子と同じ成分で高カロリーなものも 次に菓子パンです。菓子パンは前述の通り、ダイエット中は控えたいパン。なぜならば、そのほとんどが油脂と糖分でできていて、成分としてはお菓子と同じでカロリーも高いものが大半だからです。 特に注意したいのが、デニッシュ類と揚げ物類。2個食べて飲み物を飲んだらあっという間に1000kcal超え!というダイエッターには恐ろしい数字が待っています。 菓子パン類を食べる時はせめて1個に。そして、食事ではなくお菓子だという認識を持って、野菜サンドなどと組み合わせ、菓子パンを食べる時はデザートを食べていると自分に言い聞かせて食べましょう。 【高カロリー群の菓子パン例】 ・アップルパイ……455kcal ・コッペパン(つぶあん&マーガリン)……485kcal ・メロンパン……498kcal 【中カロリー群の菓子パン例】 ・あんぱん……295kcal ・カレーパン……360kcal ・クリームパン……292kcal ・ジャムパン……248kcal 菓子パンの太りにくい食べ方 菓子パンは油脂と糖分が多く、カロリーが高くて太りやすい食べ物です。従って、太らない方法というのは、基本的に難しいお題。 選ぶ時には、とにかく油分の少ないシンプルなもの、そして甘くないものを。商品のカロリー表示もきちんとチェックしましょう。デニッシュや揚げパン、揚げた素材や油脂の多い肉が入った素材、マヨネーズやクリームの多いもの、チョコがたっぷりかかったものなどは、カロリーが高いことが大半なので要注意です。 さらに、食べる際は野菜ジュースや野菜料理と組み合わせて、少しでも体脂肪合成を防ぐようにしてください。また、食べる時間として夜はNG。朝か昼などの日中にして、できるだけその日は体を動かし、食べた分のエネルギーを使い切ってしまいましょう。 ※各成分量は作り方や商品、時期によってばらつきが生じる可能性があります。実際の数値は公式サイトなどをご確認ください。 ※参考 日本食品標準成分表2020年版(八訂) 山崎製パン 公式サイト セブンーイレブン ミックスサンド セブンーイレブン チキンカツサンド