Friday, December 8, 2023

藤井聡太14歳を師匠がベタ褒め「将来はタイトルを総ナメに」“盛りすぎ”じゃなかった高評価…対戦相手も超本気だった『炎の七番勝負』ウラ話

羽生善治や佐藤康光といった棋界最高峰の実力者を含む精鋭を相手に6勝1敗。2017年にABEMAで放送された非公式戦『炎の七番勝負』において、14歳の藤井聡太は“望外の結果”をおさめた。当時の藤井の棋力は、果たしていかほどのものだったのか。「将来はタイトルを総ナメにしてもおかしくない」――同企画をプロデュースした野月浩貴八段が、師匠・杉本昌隆の“予言”と「14歳の藤井聡太」の素顔について語った。(全3回の2回目/#1、#3へ)※文中敬称略 「すごい子がいると噂で聞いていましたが…」  大成功に終わった『藤井聡太四段 炎の七番勝負』だが、始まるまではいくつかの懸念材料もあったという。  そのひとつが、藤井聡太の“実力”だった。  史上5人目の中学生棋士となった才能と将来性に疑いはない。過去に中学生でプロになった棋士は、加藤一二三九段、谷川浩司十七世名人、羽生善治九段、渡辺明九段の4人で、いずれも竜王や名人といったタイトルを獲得し、棋史に名を刻む大棋士となっているからだ。藤井の未来に大きな期待がかかるのは、当然のことだった。  だが当時の藤井は、まだ新四段になったばかり。昇段を決めた奨励会三段リーグでは13勝5敗と、圧倒的な成績をおさめていたわけではない。企画を進めていた段階ではまだ公式戦デビュー前で、棋譜も世に出ていなかった。研究会で指していた棋士から「強い」という評判は聞こえてきていたものの、それがプロとしてどのレベルなのかは未知数だった。つまるところ、トップクラスの棋士とはまだ差があると考える方が自然だったのだ。 『炎の七番勝負』を企画した野月浩貴八段も、同業者として「実際の対局を見るまでは評価のしようがない」という立場だったという。棋士はあくまでも「指した将棋」で判断する生き物だからである。 「奨励会のころから『すごい子がいる』と噂で聞いていましたが、将棋をまだ見てないからよくわからない、というのが正直なところでした。詰将棋が非常に得意(プロ棋士を相手に詰将棋解答選手権を連覇していた)なので、終盤はかなり強いのかな、くらいのイメージです。例えば羽生さんや森内さん(森内俊之九段)は自分より少し上の世代なので若手時代の将棋をよく見ていましたけど、序盤はそれほど細かくなくて、終盤の鋭さで勝っていく形が多かったんです。渡辺さんも若手時代はそうでしたから、藤井さんもそういう感じなのかなと……」 師匠・杉本昌隆の“異例すぎる高評価”  七番勝負の企画は藤井の師匠である杉本昌隆八段を窓口に進んでいた。その過程で野月が戸惑ったのが、杉本による藤井評だった。弟子への評価が高過ぎるように感じたのである。野月は懐かしそうに笑う。 「デビューしたばかりの子をここまで褒めるのはおかしい、というくらい師匠の評価が高いわけです。『将来はタイトルを総ナメにしてもおかしくない』とまで言っていて、いやいや、いくらなんでもそれは“盛りすぎ”でしょうと思いました(笑)」  その数年後、前人未到の八冠制覇を現実のものとして成し遂げるのだが、当時はまだ実績のない新四段だ。師匠が弟子を持ち上げるような文化は、将棋界にはない。どちらかというと、師匠の目線は弟子に対していつも厳しいものである。ところが、杉本はただただ藤井の強さを絶賛していたのである。  七番勝負のメンバーを決めた段階で顔ぶれを伝えたところ、「全敗する可能性もあるけれど、全勝する可能性もありますよ」というのが杉本の感想だった。 「将棋を多く指した上での評価なので、こちらが思っている以上にすごい子なのかなと思いつつ、でも将棋を見たことないから鵜呑みにはできない……。そんな感想でしたね」 「序盤が洗練されている…」藤井聡太14歳の輝き  この七番勝負を経て、野月の中での藤井評も変わることになる。  意外だったのは、多少の粗があると思っていた序盤の戦い方が洗練されていたことだった。例えば第1局の増田康宏四段戦。角換わりの戦型で進み、模様が良いまま押し切っている。攻めだけではなく、受けのレベルが非常に高く、想像以上にじっくりとした指し回しだった。 「勢いで勝っている若手は序盤と中盤が少し荒く、終盤力で勝つことが多い。ただ藤井さんは序盤が洗練されていて、まずそこに目が行きました。あと、将棋が“渋い”ですね。詰将棋が強いと聞いていたので、終盤の攻め味が鋭いのかと思っていたんですが、どちらかというと受けが強い。受け止める力が強いと言いますか、無理してでも攻め合いに持ち込むということがなかった。受け止めなきゃいけないところでしっかりと受けに回って、それが選択として正しい。完成されている感じがあって、『これはすごい』と思いましたね。一局を通して、最初から最後まで洗練されていました」  第2局では永瀬拓矢六段に敗れたものの、これが唯一の黒星。その後、藤井は斎藤慎太郎六段、中村太地六段、深浦康市九段、佐藤康光九段、そして羽生善治三冠と、トップクラスの棋士たちを相手に次々と勝利をおさめたのである。 意気込みが強かったのは藤井聡太ではなく…  野月は対局の収録にも立ち会っている。棋士たちが対局に集中できるよう環境作りに気を配っていたが、スタジオでの藤井は特に緊張した様子もなかったという。午前と午後で2局を戦う日も、奨励会と同じ形式ということもあってか、伸び伸びと指していた姿が印象的だった。 「まだ中学生で、将棋を指せるのが楽しい、という感じでしたね。全然緊張もしていないし、普段当たることのない相手と1日で2局指せるのがありがたい、という雰囲気で来ていました」  むしろ印象に残っているのは、藤井よりも相手側の意気込みの方だ。特に若手棋士からは、今後タイトルを争っていくことになりそうな大型新人に、気持ちを入れて臨んでいる雰囲気が感じ取れた。野月は推察する。 「斎藤慎太郎さんや中村太地さんにとっては、純粋に藤井さんと戦ってみたいという楽しみとともに、自分がタイトルを獲るときのライバルになるかもしれない相手との対局という部分もあったのかもしれないですね。思いを持って臨んでいたのは、藤井さんよりも彼らの側だったかもしれません」  中村はこの年に、斎藤は翌18年に、どちらも王座のタイトルを初めて獲得している。藤井の出現は、彼らの思いに火をつけたのかもしれない。 野月浩貴が藤井聡太との対局で感じたこと  この『炎の七番勝負』だけではない。  学生服の天才の出現は、その後、公式戦で対局した多くの現役棋士に刺激を与えている。ABEMA将棋チャンネルでは、デビューから藤井の公式戦の対局を必ずと言っていいほど生中継している。順位戦はC級2組からスタートし、棋戦は予選から参加するため、ベテランと呼ばれる棋士と対局することも多かった。多くの注目を集める一局で恥ずかしい将棋は指せないと、みな静かに闘志を燃やして臨んでいたようにも見えた。野月は言う。 「昔と違い、対局する映像が一日中流れますからね。ファンの方は藤井さんをメインで見ているかもしれないですが、自分たちも将棋の内容から表情、姿勢まで、全てを見られるわけです。じゃあどうするって言ったら、将棋を一生懸命に指すこと。自分がやってきた数十年分の全てを出し切りたいという思いはありますよね」  野月自身も、2020年に順位戦B級2組で藤井と対局している。  当時の藤井はすでに二冠のタイトルホルダーだった。特別な一局だからと気負うことはなく、いつものようにコンサドーレ札幌のチャントが揮毫された扇子を持参し、普段通りのルーティーンで臨んだ。難解すぎる中盤でお互いに長考する展開だったが、終盤に抜け出した藤井が勝利となった。敗れはしたものの、積極的な指し手で自分らしさを貫いた対局だったと野月は振り返っている。 「ちょっと一瞬、向こうも囲いのバランスが崩れて怪しいところはあったんですけど、そこで踏み止まる力を持っている。それは分かっていましたし、やっぱり強かったなという印象ですね」 藤井聡太と永瀬拓矢の「運命を変えた第2局」  話題を『炎の七番勝負』に戻すと、この人選にはちょっとした裏話がある。  永瀬が藤井に勝利した第2局には当初、佐々木勇気五段(当時)がキャスティングされていたのだという。しかし佐々木がスケジュールの都合で参加できず、代役として永瀬に出番が回ってきたという経緯があった。  その後、佐々木は藤井のデビューから続いた連勝記録を「29」で止め、初めて黒星をつけた棋士として話題となった。その直前、藤井が29連勝の新記録を達成した際には、対局場を“視察”するほどの念の入れようだったことも広く知られている。野月は「本人に聞いたわけではないですが……」と断った上で、『炎の七番勝負』に出場しなかったことに対して、自分なりに思うところがあっての行動だったのではないかと話す。 「(七番勝負に)自分が出られず、永瀬さんだけが勝った。彼の中でもしも自分が出ていたらとか、いろんな思いがあったのかもしれません」  佐々木は今期からA級に在籍。藤井名人への挑戦権をかけた順位戦の最高峰で、七番勝負に出場した永瀬、斎藤、中村らと切磋琢磨を続けている。こうした因縁が続いていくのも、将棋界の面白いところだ。  一方の永瀬は、この企画の対局がきっかけで藤井と練習将棋を指すようになった。2018年度には叡王の、2019年度には王座のタイトルを獲得し、一気にトップ棋士へと駆け上がっている。  そして2023年10月の王座戦第4局、藤井が史上初となる八冠独占を成し遂げた瞬間には、対局の相手として立ち会うことになった。完全な勝勢に見えたが、1分将棋で指した一手が悪手と気づき、天を仰ぎ、自らの頭をかきむしった。そんな永瀬の姿を多くの国民が目撃し、胸を熱くした。  藤井聡太八冠が誕生した今、あらためて思う。あの『炎の七番勝負』での藤井との邂逅は、その後の棋士たちの運命を変えていったのかもしれない、と。  だが、棋士たちの戦いは今も続いている。それぞれが新しい道を切り開き、これからも魂を揺さぶるドラマを見せてくれるだろう。 <続く>

父は〝ジャパネットたかた〟創業者 「WEリーグ」高田春奈チェアの根底にある「社会貢献」という信念

 女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」。けん引するのは2022年9月に2代目チェアへ就任した高田春奈チェア(46)だ。「ジャパネットたかた」創業者の明氏を父に持ち、実業家としての会社経営、そしてJリーグクラブの経営も経験。今後の女子サッカー発展を託された若きリーダーの人物像を担当記者が紹介する。   ◇  ◇  高田チェアの経歴は多岐にわたる。人事の仕事から始まり、代理店業務の会社経営、そしてJクラブの経営にJFAの副会長-。一見、統一性が見えにくいが、根底にあるのは「社会貢献」という信念。その一つの目的に突き動かされている。  「それは自分が生きてきた中で変わらない軸としてあって、より貢献度合いが高いところに行けるように判断している」とした上で、現職についても「今が一番、自分たちのやっていることが社会を良くするという感覚を持っている」という。  一方で中高生の頃はプロ野球の西武ファン。クールなイメージに反して「応援するときはめちゃくちゃ入り込んで、プレーヤーの気持ちとかを想像して感情移入してしまう」と熱い一面を持つ人だ。  「ミーハーな感じに抵抗があった」と30年前のJリーグ開幕ブームに乗り切れなかったのに、今はサッカーに関わっているのも面白い。強い信念と熱さとちゃめっ気と…。この若きリーダーがどのようにWEリーグを発展へ導くのか、興味は尽きない。(デイリースポーツ サッカー担当・中田康博)

FIFAが日本の部活を称賛 プロを断って筑波大に進んだ三笘薫に「遠回りという表現がすでに時代遅れなのかもしれない」

国際サッカー連盟(FIFA)が今月、公式サイトで日本のサッカー育成システムを紹介する記事を掲載した。 諸外国ではプロクラブの下部組織など経てプロ入りするのが一般的だが、日本の場合はJリーグのジュニアユース、ユースなどからトップチーム入りする経路のほかに、高校、大学のサッカー部でプレーしてからプロ入りを目指すルートもある。 FIFAは日本での高校サッカーの人気について「Jリーグができて30年が経過した今でも日本ではアマチュアサッカーの人気は根強い。特に『高校サッカー』は日本の年末年始の風物詩として定着している。育成年代の国内大会において、ここまで多くの人の注目を集めるコンテンツは、世界的に見ても非常に稀であり、日本サッカーの独特の文化と言えるだろう」と伝えている。 高校サッカーだけでなく、大学サッカーについても、『大学サッカーは日本ではほとんどセミプロの扱いで、競技レベルは非常に高い」とレベルの高さを評価。筑波大出身の三笘薫(ブライトン)や中大出身の古橋亨梧(セルティック)ら欧州で活躍する大卒選手の名前を挙げ、昨年のW杯カタール大会では9人の大卒選手がいたと伝えた。 川崎からトップチーム入りのオファーがありながら、筑波大進学を選んだ三笘については、「一見すれば千載一遇のチャンスを手放しているように見えるが、彼はあえて遠回りする道を選択し、自分の長所であるドリブルの強化に取り組んだ」と大学生活を経たことでキャリアを飛躍させたと分析。プロ一直線が欧州などではスタンダードではあるが、「プロを一直線に目指すだけではなく、あえて一度外れるルートが存在することが、日本サッカーにある仕組みの大きな恩恵なのだろう。いや、遠回りという表現がすでに時代遅れなのかもしれない」と日本の部活システムを高く評価した。

#0 愛と公私混同のゴール裏

 まさか、FC東京の連載をするとは――。  取材のため、FC東京の練習場「小平グランド」に向かった。施設に到着して感じる懐かしさ。小学生の時に選手のサインを求め、路線バスを乗り継いだ記憶がよみがえってきた。  東京都調布市で生まれ、小学校でサッカーを始めた。人生で初めてのサッカー選手のサインは、商店街のイベントに参加したアマラオさんと近藤健一さんに書いてもらった。FC東京と出会い、ファンになるのは不思議なことではなかった。  気がつけば、ソシオ(年間チケット購入者)として、味の素スタジアムに何度も足を運んだ。もう、サッカーは生活の一部となっていた。アウェーの会場に行くことも増え、週末はゴール裏で青と赤の大きな旗を振ることが何よりも楽しみだった。  入社後は数多くの試合を撮影した。FC東京戦に限れば、社内で一番取材したと自負している。しかし、「愛」は社内の理解を得られない時もある。負けているのにもかかわらず、前後半ともFC東京の攻撃を撮影し、「公私混同」と上司に怒られた。2019年のシーズン終盤は、首位の横浜F・マリノスの試合よりも、FC東京の逆転優勝を信じて味の素スタジアムに向かった。自分で言うのも変だが、全国紙のフォトグラファーとして、アウトな仕事ぶりだ。  勝手な活動も、続けていけば「愛」が認められる日がくる。担当デスクから、「FC東京で連載をやってみないか」と声をかけられたのは今夏。正直、うれしさよりも戸惑いの方が大きかった。なぜなら、ファン・サポーターとして外から一方的に楽しむ関係を崩すことに抵抗があったからだ。  試合撮影時は、フォトポジションという決められたエリアで撮影するため、選手やチームと一定の距離を保つことができる。だが、記事を書くとなると、面と向かって話を聞く機会も増え、距離感がぐっと近くなる。この悩みですぐに返事はできなかったが、連載を始めることにした。やるからには、試合の解説記事ではなく、自分だからこそ見える景色、ピッチ内外で感じたことを写真と文で紹介したいと思う。  私は今もゴール裏にいる。味スタで何度も振った青赤の旗。サポーターを意味する「12」が入った旗はカメラに変わり、今は主戦場のピッチサイドで望遠レンズを振り回している。変えられないこともある。それはFC東京への思いだけだ。【藤井達也】  次回は21日に公開します。

【女子W杯】W杯優勝経験国は日本のみに…米国敗退に世界が衝撃「信じられない」「映画のような結末」

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会は6日、決勝トーナメント1回戦が行われ、史上初の3連覇を狙うFIFAランク1位の米国が同ランク3位スウェーデンと激突。0―0のまま延長戦でも決着つかず。120分激闘後のPK戦の末に敗れ、9大会連続9回目の出場にして初の16強敗退という結果に終わった。  W杯過去8大会で優勝4回、準優勝1回、3位3回と全て“メダル圏内”という優秀な成績を収めていた圧倒的王者が初めて決勝トーナメント初戦で敗退。わずか4カ国しかないW杯優勝経験国としてドイツ、ノルウェーに続き姿を消すことに。残っている優勝経験国は日本のみとなった。  米国の敗退で世界に衝撃が走った。英BBC放送(電子版)は「メルボルンで信じられないようなドラマが起こり、女王米国による史上初の3連覇という夢は散った。過去最悪な結末に本国では厳しい批判が待っているだろう」と報道。スペイン紙マルカ(電子版)は「スウェーデンが映画のようなエンディングで米国を撃破。この日の米国はGKムショビッチから得点できない運命だったようだ」と表現した。  スポーツ専門局ESPNは「120分間の熱狂的な試合はPKの末に前回W杯王者が敗退。勝てるはずの試合だったがGKムショビッチの好守と、2本のうち(4人目と5人目)一本でも決めていれば勝てたPKを外し、最後はVAR判定の結果ゴールラインを割ったと判定され敗れた」と報道。スポーツ専門放送局ユーロスポーツ(電子版)では「ドラマに満ちたPK戦でスウェーデンが米国とFWラピノーを敗退させる」と報じ、今季限りでの引退を表明している米国代表FWラピノーのW杯との別れを惜しんだ。

日本代表森保監督も舌を巻いた!なでしこに賛辞「対戦相手が練ってきた戦術に臨機応変に対応」

<明治安田生命J1:名古屋1-0新潟>◇第22節◇5日◇国立 東京・国立競技場で名古屋グランパス-アルビレックス新潟戦を視察した日本代表の森保一監督(54)が、FIFA女子ワールドカップ(W杯)で8強入りを決めた女子日本代表(なでしこジャパン)に賛辞を送った。 試合後に丁寧に取材に対応。「よい選手がそろっている。W杯に向け、池田監督の準備してきたことが、よい形になって結果に出ている」とし、「戦術的にも個々の役割においても、非常に、チームとして最大限の力を発揮できている」と語った。「強いですね」と笑顔だった。 5日の決勝トーナメント1回戦のノルウェー戦は、1位突破を決めた1次リーグ最終戦のスペイン戦と違い、ボールを保持し、相手を敵陣に押し込む展開だったが、うまく戦った。 サムライブルーの指揮官は、「対戦相手が練ってきた戦術に、臨機応変に対応しているところは、我々も見習っていきたい」と大きな刺激を受けている様子だった。【村山玄】

【女子W杯】ついに決勝T開戦!スペインが初の8強入り 日本戦黒星“払しょく”スイスに5発大勝

 ◇女子W杯決勝トーナメント1回戦 スペイン5ー1スイス(2023年8月5日 ニュージーランド・オークランド)  サッカーの女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会は5日から決勝トーナメントがスタート。FIFAランク6位のスペイン(C組2位)が同ランク20位のスイス(A組1位)に5―1と大勝。3回目の出場にして初の準々決勝進出を決めた。  スペインが1次リーグ日本戦の大敗(●0―4)を払しょくする快勝。女子W杯史上初の8強入りを決め、目標である初優勝へむけ一歩前進。準々決勝ではオランダ(E組1位)―南アフリカ(G組2位)戦の勝者と対戦することになった。  試合は前半5分にMFボンマティ(バルセロナ)が先制ゴール。同11分にはDFコディナ(バルセロナ)がハーフウェーライン付近からバックパスがまさかのオウンゴールを記録。痛恨のミスから同点としてしまうも同17分には左からのクロスをFWレドンド(レバンテ)が頭で押し込み再び勝ち越し。  同36分にはMFボンマティがゴール前で華麗なキックフェイントから相手DF陣を翻弄。空いたシュートコースに左足で流し込み、この日2点目(今大会3点目)となる追加点。さらに前半アディショナルタイムにはDFコディナが名誉挽回とばかりにチーム4点目となるゴールを決め、両手を合わせ“謝罪”するような仕草を見せた。  スペインは後半25分にも追加点。同代表歴代最多得点記録を保持する33歳FWエルモソ(パチューカ)が今大会3点目となるゴールを決め、自身の記録を「51」に伸ばした。  日本戦では封じられた攻撃陣が躍動し、前半からスイスを圧倒。5―1の大勝劇で初の準々決勝へと駒を進めた。

【女子W杯】ブラジルに続きドイツまでも…史上初の1次L敗退が世界に衝撃「今大会最大のサプライズ」

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会は3日、1次リーグH組最終節が行われ、過去優勝2回を誇るFIFAランク2位ドイツが同ランク17位の韓国と1―1の引き分け。1勝1分け1敗の勝ち点4で同組3位となり、同国史上初の1次リーグ敗退が決まるという“波乱”が起こった。同組はコロンビアが1位、モロッコが初出場ながら2位通過を決めた。これで1次リーグ全日程が終了。決勝トーナメントに進出した16強が出揃った。  1次リーグ最終日にまたも“大波乱”が発生。過去優勝2回を誇るドイツが韓国戦で勝利できず、史上初の1次リーグ敗退。前日のブラジル(FIFAランク8位)敗退に続き世界に衝撃が走った。  スペイン紙マルカ(電子版)はドイツの敗退を「これがサッカーだ。おそらく今大会最大のサプライズ。昨日のイタリア、ブラジル敗退の衝撃だけでは十分ではなかったようだ」と紹介。スポーツ専門局のESPNでは「ドイツが韓国と引き分け、衝撃の敗退をすることになった」と報道。ドイツ紙キッカー(電子版)は「初戦で6―0大勝発進したものの、勝ち進むことが出来なかった。ドイツの歴史に不名誉な記録が刻まれてしまった」と報じた。  ネット上からも「あのドイツが敗退するなんて…」「これで男女ともに1次L敗退かぁ…」「サッカーではこれから“最後にはドイツが勝つ”など言えないな」「ドイツは自分たちが一番強いという過信が一番の敵だったのかもしれない」「ドイツサッカー、男女ともに凋落しすぎ」「W杯でブラジルもドイツも決勝Tに進めないなんて想像も出来なかった」など反響を呼んだ。

【女子W杯】ブラジル 7大会ぶり1次L敗退の衝撃…37歳FWマルタは史上初の6大会連続ゴールならず

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会は2日、1次リーグF組最終節が行われ、FIFAランク8位ブラジルが同43位ジャマイカと0―0で引き分け。1勝1分け1敗の勝ち点4で同組3位となり、1995年スウェーデン大会以来7大会ぶり3度目の1次リーグ敗退が決まった。  9大会連続9回目のW杯出場となったブラジルは1次リーグ初戦でパナマに4―0と快勝。順当に白星発進を飾ったが、第2節のフランス戦に1―2と敗戦。第3節となったジャマイカ戦でもスコアレスドローに終わり、まさかの1次リーグ敗退が決定。同組はフランスが3連勝で首位通過。2大会連続2回目の出場となったジャマイカが1勝2分けの勝ち点5で2位を死守し、初の決勝トーナメント進出を決めた。  ブラジルは男女を通じ史上初のW杯6大会連続ゴールという大記録達成への期待を集めた37歳FWマルタが不発。パナマ戦、フランス戦はともに後半途中出場だったがジャマイカ戦では今大会初スタメンに抜てき。2トップの一角に入ってプレーするもゴールに絡めないまま後半35分に交代。自身6度目のW杯は初の無得点に終わった。  この結果、東京五輪金メダルのカナダ(FIFAランク7位)に続きブラジルも敗退となり、世界ランクトップ10からは2チームが1次リーグで姿を消すことになった。

【女子W杯】南ア“歴史的快挙”で世界に衝撃!イタリア撃破した熱戦が反響「今大会のベストバウト」

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会は2日、1次リーグG組最終節が行われ、世界ランク54位の南アフリカが同16位イタリアを3―2で撃破。2度目のW杯出場で記念すべき初勝利を挙げ、同組2位で同国史上初の決勝トーナメント進出を決めた。  試合は前半11分にPKから失点。イタリアが勝ち抜けに大きくリードしたが、前半32分にオウンゴールから同点。勢いに乗る南アフリカは後半22分、MFマガイアのゴールで逆転に成功。南アフリカが勝ち抜ける状況となった。  このまま勝利すれば2位浮上となる南アフリカだったが7分後に失点。2―2の同点に追いつかれ、またもイタリアが勝ち抜ける状況に。それでも後半アディショナルタイム、FWクゲトラナが劇的な決勝弾。W杯初勝利を挙げるとともに、男女を通じW杯史上初の決勝トーナメント進出を果たす快挙を達成した。  この勝ち抜けの状況が二転三転した激戦にネット上も大盛り上がり。「イタリアまさか敗退するとは!南アフリカは快挙だおめでとう」「衝撃的なニュースだ」「南アフリカがイタリア撃破!?ラグビーかと思ったら女子サッカーだった」「これはアフリカ人に勇気を与える勝利」「信じられない勝利でとても涙が出てきました」「国民として誇りに思います」「歴史的快挙!なんて一日なんだ!!」など様々な言語で世界中から反響。  中には「こんなアツイ試合こそテレビで観たかったわ」「なんて面白い試合だったんだ」「もしかして、この試合が今大会のベストバウトになるかも」「ハラハラドキドキしっぱなしで心臓に悪かった」などといった声も上がった。

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