Tuesday, June 6, 2023

ロシア軍が巨大ダム爆破か 浸水で1万6000人が危機的状況 ザポリージャ原発に冷却水供給のダム

ウクライナ南部にある巨大なダムが爆破され、周辺地域が浸水し、およそ1万6,000人が危機的状況に陥っている。 ウクライナ軍の南部司令部は6日、ヘルソン州にあるカホフカ水力発電所をロシア軍に爆破されたと発表した。 ヘルソン州知事によると、9つの地域が全面的または部分的に浸水し、およそ1万6,000人が危機的状況に陥っている。 カホフカ水力発電所のダムはポリージャ原発にも冷却水を供給していて、ウクライナ側は原発への危険な攻撃だと批判。 IAEA(国際原子力機関)は、現時点では直ちに安全リスクが生じることはないとしている。

園遊会、4年半ぶり開催 令和初 天皇・皇后両陛下が国枝さんらと歓談

 天皇、皇后両陛下主催の園遊会が11日、赤坂御苑(東京都港区)で開かれた。春と秋の年2回行われてきたが、天皇の代替わり行事や新型コロナウイルス感染拡大の影響で2018年秋を最後に実施されておらず、開催は4年半ぶりで令和初。雨の中、両陛下や皇族方は約1000人の招待者の間を傘を差して歩き、和やかに歓談された。  天皇陛下は、車いすテニスの第一人者で国民栄誉賞を受賞した国枝慎吾さんに「車いすテニスとパラスポーツの発展に大変なご尽力をなさって」と言葉をかけ、プレー中の体の使い方を質問するなどした。皇后雅子さまは、国枝さんが東京パラリンピックの男子シングルスで金メダルを獲得したことに「本当に素晴らしいご活躍で」とねぎらった。  旭化成名誉フェローの吉野彰さんは19年にノーベル化学賞を受賞したことを報告。天皇陛下は吉野さんが開発したリチウムイオン電池について「本当に素晴らしいものですね」とたたえ、吉野さんが環境問題に貢献したいと意気込むと「温暖化の問題も深刻ですからね」と応じていた。  宮内庁によると、今回は招待者を例年の半数程度に減らし、食事やアルコールを含む飲料の提供も見合わせた。両陛下や皇族方はマスクを着用し、招待者にも着用への協力を求めた。【村上尊一】

バイクに轢かれて亡くなった母猫の隣で、悲嘆にくれていた2匹の子猫 保護から10年…「いい子に育ってくれました」

バイクに轢かれて亡くなった母猫の隣で、ニャーニャー鳴いていた…。なっちゃん宅で暮らす2匹の兄妹猫は、そんな生い立ちを持つ。 人間でも耐えがたい悲惨な状況を乗り越えた2匹は、保護から10年経った今でも元気いっぱい。亡き母猫の分まで、生を謳歌しているようだ。 轢死した母猫の隣で鳴いていた子猫を保護 2匹を保護したのは、なっちゃんさんの彼氏さん。2匹は近所の野良猫が産んだ子で、彼氏さんは帰宅中、母猫がバイクで轢かれるのを目撃した。 母猫は即死。近くにいた生後半年ほどの子猫2匹が、彼氏さんに着いてきた。暴れたり逃げたりせず、すんなり保護できた2匹を動物病院へ連れていくと、幸いにも外傷はなかったそう。 病院では寄生虫駆除の薬を処方してもらい、ノミ・ダニを駆除。2匹は同棲を開始した彼氏さんとなっちゃんさんのもとで育てられることになりました。 「ぶう」と「くう」と名付けられた2匹は、とにかく元気。 「ロフト付きの部屋だったのですが、はしごを駆け上がってロフトで走り回り、また、はしご降りて…と大運動していました」 2匹は、食欲も旺盛。食べ物を手に入れるのが難しい野良生活を送ってきたからか、なっちゃんさんのご飯に目をギラつかせることもあったそう。 「油断できませんでした(笑)。でも、好き嫌いしなかったので、その点では育てやすかったです。トイレも1回で覚えてくれました」 こうして始まった猫ライフの中、なっちゃんさんは不思議な経験をした。それは、ぶうくんとくっついて眠った夜のこと。夢にぶうくんとは違う、ハチワレの子が出てきたのだ。 「だから、パートナーに聞いたら、保護はできなかったけれど、もう1匹ハチワレの子いたのだと…。特徴を聞いたら、夢に出てきた子と一致していました。その子は4時間粘ったけれど、一定の距離以上近づくと逃げてしまうため、保護を諦めざるを得なかったそうです」 もしかしたら、もう1匹兄弟がいたんだよと、ぶうが教えてくれたのかも…。そう感じたなっちゃんさんは、ありがとうと思うと同時に、一緒に保護できなくてごめんねと、複雑な気持ちにもなったという。 気持ちを察する優しいぶうくんとヤキモチ焼きなくうくんとの賑やかな日常 成長するにつれ、2匹には性格の違いが。ハチワレのぶうくんは素直でおっとりとした性格。 猫なのに、よく「ワンワン」と鳴く個性派にゃんこでもある。 対して、くうちゃんは甘えん坊で、ヤキモチ焼き。なっちゃんさんにくっついてないと落ち着かないくっつき虫で、構ってもらえないとスネて、しばらく無視を決め込むものの、30分も経たないうちに我慢できず、デレてくるのだとか。 「ぶうを撫でていると、くうが距離を置きながら、じーっと見て嫉妬します。逆に、ぶうはくうが撫でられていると、邪魔してはならないと遠慮をして離れますね」 2匹は、なっちゃんさんのお腹に乗るのが大好き。時には、くうちゃんが近くにいることに気づかず、お腹に乗ってきたぶうくんが「わ!いたんだ!」という表情を見せ、距離を置くこともある。 なお、知的なくうちゃんは自力でドアを開けた時、怒られないか確認するために、ぶうくんに先を譲る、ずる賢さも持ち合わせているそう。 「何度も、それで怒られているのにドアが開くたびに「わーい!」と飛び出してくるので、ぶうは単純なんだと思います(笑)ふたりとも、かわいい性格です」 シニアの仲間入りをしたものの、まだまだ元気 保護から10年経ち、シニアの仲間入りをしたものの、2匹はまだまだ元気。水をよく飲み、ご飯をモリモリ食べ、飼い主である自分のことをずっと大好きでいてくれる2匹を見て、なっちゃんさんは「いい子に育ってくれた」と日々、思っている。 「父や母が遊びに来ると、2匹なりにもてなしているのか、くっついてくれます。気遣いもできるとは、本当にいい子だなと思いますね」 そう語るなっちゃんさんは、より多くの人に保護猫、保護犬を迎えるという選択肢を視野に入れてほしいと願ってもいる。 「たくさんの子との出会いで、この子だ…と思う子に出会えることが、きっとある。その出会いを大切にしてほしいです」 なお、この10年で、2匹を保護した彼氏さんの実家にも変化が起きたよう。彼氏さんの実家ではちゃすけくんという猫が暮らしており、新入り猫のリリィちゃんがやってきて来た時にはジェラシーを焼く姿がSNSで話題になった。 だが、その後、ちゃすけくんは徐々にリリィちゃんを受け入れるように。自宅では親分気分でちょっぴり背伸びをして新入り猫と遊ぶちゃすけくんと、そんな兄貴を慕うリリィちゃんの交流が見られるようになった。 残念ながら、ちゃすけくんは老衰により、2021年10月に天国へ。遊んでくれるお兄ちゃんを失ったリリィちゃんは彼氏さんのお母さんにべったりな甘えん坊に豹変。 おもちゃを近くに持ってきてポトッと落とすことで、遊んでアピールをしたり、犬のように、おもちゃを投げるととってきて、飼い主の近くに落としたりするようになった。 「指しゃぶりも増え、寂しくなると『抱っこして』と体に乗ってきて、指をしゃぶるようです。1歳超えても、まだまだ赤ちゃん猫です」 年月と共に変化し、深まってもいく、猫と人間の関係性。なっちゃんさん宅でも、この先、どんな変化や微笑ましい交流が見られるのか楽しみだ。 (愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

やせて帰郷したパンダ、怒る中国ネット世論 友好の象徴だったけど…

 米国の動物園で20年間飼育されたパンダが27日、中国に帰郷した。友好親善のため米国に貸与され、返還期限を迎えて中国に戻ったが、SNS上では、そのやせ細った姿に米国側の飼育状況を批判する声も上がった。冷え込む米中関係を映し出したかのような話題となっている。  中国に返還されたのは、米テネシー州のメンフィス動物園で飼育されていたメスのジャイアントパンダ「ヤーヤー」。27日に上海の空港に到着した。  ヤーヤーは2000年に北京動物園で生まれ、友好親善のため03年にメンフィス動物園へ。ともに同園へ貸与されたオスの「ルールー」が今年2月に死んだ。中国から派遣された専門家グループが調べた結果、心臓に病変が見つかったという。  ヤーヤーについても健康状態を確認したところ、皮膚病に伴う脱毛があった。ヤーヤーのやせ細った姿に注目が集まり、中国のSNS上では「園がパンダを虐待していたのではないか」と批判する声も出ていた。 ■動物園側の説明は  メンフィス動物園は虐待の疑いを否定している。ホームページでは、「ヤーヤーが小柄なのは栄養の問題ではなく遺伝的なもの」と説明。皮膚のトラブルは「免疫システムに関連するホルモンの変動の影響」と説明し、動物ケアチームや獣医師らによって細やかに見守られてきたとしている。  中国外務省の毛寧副報道局長は26日の会見で「(ヤーヤーは)メンフィス動物園にいる間、よく世話され、米国の人々に深く愛された」と述べた。

発がん性の恐れ、化学物質「PFAS」が全国の河川・井戸水から大量検出…国が対策へ

 発がん性の恐れが指摘される化学物質「PFAS(ピーファス)」が、国内各地の河川や井戸水から高濃度で検出されている。ただし、健康への影響について不明な点が多く、国の対策は十分に進んでいない。住民から不安の声が上がる中、政府は専門家を交えて、汚染防止の方策について検討を始めた。(山下智寛) ■基準の100倍超  「人体への影響を明らかにし、汚染対策の指針を示してほしい」。大阪府摂津市の市民団体のメンバーらが3月8日、PFASの一種、PFOA(ピーフォア)の調査を求める2万3788人分の署名を環境省に提出した。  同市内にある空調機器大手「ダイキン工業」の工場では1960年代から、自動車部品などの製造過程でPFOAを使ってきた。しかし、米環境保護局が米国内に拠点を持つ同社などにPFOAの使用停止を求めたため、2012年に使用を中止した。  その後は周辺の地下水をくみ上げ、活性炭でPFOAを除去していたが、環境省の20年度の調査では、工場近くの大阪市内の地点で、国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノ・グラム=ナノは10億分の1)の110倍にあたる5500ナノ・グラムを検出。2年後の府の調査でも、周辺の用水路から6500ナノ・グラムが検出された。  府は地下水を飲まないよう呼びかけ、同社は追加の対策を公表したが、住民の不安は消えない。市民団体の谷口武事務局長は「周辺では農作物を育てているし、子供への影響も心配。国が責任を持って監督してほしい」と訴える。 ■製造・輸入を禁止  PFASの有害性が注目され始めたのは2000年代。米疾病対策センターが、血中濃度が高まると腎臓がんや精巣がんのリスクが高まる可能性を指摘した。国連のストックホルム条約会議で19年までに、PFASの一種であるPFOAとPFOS(ピーフォス)の製造・使用が原則禁止され、政府も21年までに、国内での製造や輸入を全面禁止とした。  環境省は20年、PFOAとPFOSを含む2リットルの水を毎日飲んでも健康に影響がないレベルとして、含有量の暫定目標値を設定。21年度の調査では全国1133地点のうち、13都府県の81地点で暫定目標値を超過した。  だが自治体の対応は、井戸水の利用停止や河川からの取水停止を呼び掛ける程度にとどまる。環境省が作成した手引には、「排出源の特定のための調査を実施し、濃度低減のために必要な措置を検討する」とあるだけで、具体策を示していないからだ。  神奈川県は超過地点で独自に検査を続けているが、付近に排出源となるような工場はない。県大気水質課の関猛彦課長は「住民の不安を払拭(ふっしょく)したいが、何をどれだけやれば十分なのか……」とこぼす。 ■不十分な知見  東京・多摩地区や沖縄県宜野湾市など高濃度のPFASが検出された地域では、住民らが独自に血液検査を行う動きが広がっている。  こうした状況を受け、環境省は今年1月、化学物質や公衆衛生などの専門家を集めた会議を設置し、手引の改訂や対策について議論を進めている。海外の最近の研究成果や各国の規制状況を参考に、事業者による排水を規制できるような法整備も視野に入れる。しかし、PFASが健康に与える影響について科学的な知見は海外でも不十分といい、「根本的な解決策を見つけるのは容易ではない」(環境省幹部)のが現状だ。  原田浩二・京都大准教授(環境衛生学)の話「規制強化が進む欧米に比べ、政府の動きは遅い。水質調査だけでなく、住民の血液検査や土壌調査を積極的に行い、汚染の全体像を明らかにすべきだ」 ■基準厳しい欧米  世界各国は、飲料水に含まれるPFASの基準値を相次いで厳格化している。世界保健機関(WHO)は昨年9月、PFOSとPFOAの基準値を1リットルあたり各100ナノ・グラムとする暫定案を公表したが、「できる限り低い濃度を達成できるように尽力すべきだ」と呼び掛けている。  欧州連合(EU)は、加盟国にWHOより厳しい基準を求めており、ドイツは2028年にPFASのうち4種類の合計で基準値を20ナノ・グラムとする方針。米環境保護局は今年3月、PFOSとPFOAの基準値を各4ナノ・グラムへと厳しくする案を公表。年内に最終決定する。  ◆PFAS=有機フッ素化合物の総称。水や油をはじき、熱に強い性質から、フライパンのコーティングやはっ水スプレー、泡消火剤などに広く使用されてきた。自然界で分解されず、人体に長く残留するため、「永遠の化学物質」とも呼ばれる。

「噛むから」と見放された犬…愛護センターの柵に「危険」の表示 「人を好きになれるよう愛情を注ぐからね」保護団体スタッフは誓った

犬の殺処分ゼロを目指し、動物愛護センターなどからワンコの引き出しをし、新しい里親さんへの譲渡へとつなげる活動を行うピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。 ある日のこと。福山市の動物愛護センターの柵の中で、ひと際暴れている犬がいました。首輪が付いているため、元飼い犬だったように思われます。「もこ」と呼ばれていました。 飼い主に見放された過去 その日は野犬の収容が多い日でした。野犬は犬同士のコミュニケーションには長けている一方、人間には不慣れなことが多く、ときに恐怖から威嚇することもあります。そういった中で、もこは元飼い犬と思われるにもかかわらず、ひとたびスイッチが入ると、野犬たちよりも凶暴な態度を見せました。 同団体のスタッフは、当初からこうした情報を事前に動物愛護センターから知らされていたため、ある程度覚悟してセンターに向かいました。しかし、もこは一見かわいらしく映ります。体格も良く、元気で明るそうなワンコです。しかし、柵の中に近寄ると、野太い声で威嚇します。 センターの職員によると、普段はおとなしいのですが、何かの拍子に豹変することがあるとのこと。元飼い主によれば、これまでに人間の頭を噛んで流血させたり、腕とか足とかを頻繁に噛むことがあり、家族全員がけがをした経験をしていることから手放すことになったそうです。気性の激しさから、センターでのもこのいる柵のプレートには「危険」の文字もありました。 でも、どんなワンコにも与えられた命があります。そして、その命を何頭も救ってきたスタッフです。たとえ「噛む犬」だとしても、動じることはありませんでした。 スタッフがリードを見せると… スタッフは、噛まれることを想定し分厚いグローブをつけて、柵の上からもこにリードを見せることにしました。 すると、元飼い主と楽しく散歩していた時期もあったのでしょう。リードを見た瞬間、吠えて威嚇していたのに態度が一変。スタッフの言うことをスンナリ受け入れ、ケージへと素直に移動してくれました。 スタッフはそんなもこを「かわいい」と思い、「警戒して凶暴になっていただけなのではないか」と思いました。そして、もう一度もこに愛情を注ぎ、お世話を続ければ噛まなくなるだろうし、新しい里親さんへとつなぎ、もこが幸せな第二の犬生をおくることができるだろうと確信しました。 スタッフが離れると、大暴れし甘えるように鳴く ケージの中から、もこがスタッフを見つめる目はとても優しげです。しかし、スタッフがひとたび離れると、ケージの中でまた大暴れしました。そして、スタッフに対して、甘えるような鳴き声を出します。もしかすると、もこはここで「また捨てられてしまうんじゃないか」「置いて行かないで」と不安に思ったのかもしれません。 スタッフは淡々と「大丈夫だよ。それよりケージ壊さないでね(笑)」ともこに声をかけましたが、同時にこうも語ってくれました。 「凶暴と言われるワンコは一定数います。しかし、警戒心から凶暴になってしまうほど心に傷を負ったワンコもいます。ワンコに罪はありません。だから、今は凶暴だとしても、これからもこに愛情を注ぎ、もう一度人間を好きになってもらって、もこが笑顔を見せてくれるようにがんばります」 保護が必要なワンコはたくさんいる その後、もこは同団体に引き取られ、スタッフからの愛情をたっぷり受けながらトレーニングを受けています。前述の通り、新しい里親さんとのマッチングを目指していますが、仮にそれが難しかった場合は、同団体でその一生を世話し続けます。最後にスタッフはこうも語りました。 「もこのほかにもまだまだ助けてあげなければいけないワンコはいっぱいいます。でも、まずは目の前にいる、もこのようなワンコを保護し続けていきます。これから『ワンコを家族に迎えたい』と思う方はどうか保護犬を選んでいただきたいです。そして、『今飼っているワンコ』『これから迎えるワンコ』を最後まで幸せにするようにしていただきたいです。そうすれば日本のワンコの殺処分問題は解決できると思っています」 ピースワンコ・ジャパンhttps://peace-wanko.jp/ (まいどなニュース特約・松田 義人)

「子猫を保護したので、在宅勤務させてください」と相談→上司「いいよ」 1日中猫のそばにいられる生活は、とても幸せ

「子猫を保護したので、在宅勤務させてください」と上司に申し出たら「いいよ」と快諾された。こんなに柔軟な対応ができる会社に感謝しながら、子猫の世話と在宅ワークに勤しんでいる齋藤さんに経緯を伺った。 いつも通る川べりで深夜の救助劇 クライアントの要望にこたえて、さまざまなコンテンツを制作する仕事をしている齋藤さんが子猫を見つけたのは、2022年6月の終わり頃。その日は応援しているサッカーチームの試合を観戦した帰りで、日付が変わろうとしている深夜だった。 「自宅近くを流れる川から猫の鳴き声らしきものが聞こえて、声のするほうにいってみると、川べりで鳴いている子猫を見つけました」 携帯電話のライトで照らしてみると、どうやら子猫らしいことが分かったという。 じつは、あとから分かったのだが、その子猫は川へ落ちる前に川のほとりに生えている木に登っていて、齋藤さんより先に別の女性が助けようとしていた。ところが救助に失敗して、川に落ちたのだという。そこへ齋藤さんが通りかかったため、協力して救助活動が再開されたのだった。 齋藤さんが知り合いの保護猫活動家に連絡すると、すぐに捕獲機を携えて駆けつけてくれた。 「前の年(2021年)に実家で保護猫を引き取っており、その縁を結んでくれた方です。深夜でしたが、ダメ元で電話したところ、すぐに来てくださいました」 さらに、近所に住む外国人の男性も加わって、無事に救助されたのは三毛の子猫だった。 「その外国人の方は、この救助劇の前日あたりから時々猫の鳴き声が聞こえて気になっており、その日は特に猫がずっと鳴いているので、様子を見に来たとのことでした」 子猫が救助されたとき、その外国人の男性はすでに立ち去っていたという。 「いいよ」と在宅勤務を快諾した会社の上司 救助した時間が深夜だったため、齋藤さんは子猫を自宅で1泊させたのち動物病院へ連れて行った。 「結構な高さを落ちたはずなのに、骨折や内臓損傷などはなく、比較的健康でした。でもけっこう痩せていて、肺炎にもなりかけている状態でした」 そのときはまだ、自分が引き取ることを決められなかったという齋藤さん。 「熟考する時間も含めて1週間入院させてもらいました」 齋藤さんは、実家では子供の頃から猫と一緒に暮らしていて、自立してからも、いつかは猫を迎えたかったという。 助けた子猫を家族に迎えようと決めた理由が3つあるそうだ。 「この前年に、奇しくもペット可のマンションに引っ越してきたこと。保護した年の2月から、在宅勤務が許される環境に異動していたこと。会社の上司に『子猫を保護したので、せめて大きくなるまでは在宅勤務にさせてほしい』と相談したら、『いいよ』と笑ってOKしてもらえたことです」 全てのタイミングが、あたかも子猫を迎えるために準備されていたかのようだ。しかも「子猫を保護したので在宅勤務に」と申し出たら「いいよ」と許した、会社の柔軟な対応も素晴らしい。 在宅勤務を許可した上司も保護猫を飼っているそうだが、社内でも「子猫を保護した」ことを理由に、完全在宅勤務に切り替えた例は聞いたことがないという齋藤さん。 「そもそも毎日の出社が必須ではなく、在宅勤務OKの会社です。雰囲気は、とてもいいと思います」 人見知りで甘えん坊 こうして「絹(きぬ)」と名付けられた子猫は、齋藤さんの家族になった。 動物病院に入院中は看護師さんに向かって「シャーッ」と威嚇することもあった絹ちゃんだが、齋藤さんには威嚇しなかったという。 「うちに迎えて3日目くらいにケージから出して自由にしましたが、すぐに膝に乗ったり私のお腹の上で寝たりしていました。大変な人見知りですが、私に対してはそうとうな甘えん坊です」 齋藤さんにずっとくっついていたいみたいで、齋藤さんが仕事を始めるとデスクの横に置いてあるケージの上で寝ていて、夕方になる頃には膝の上に移動してくるのだとか。 「出かけようとすると察して、腕や脚に抱き着いて噛みついて引き止めてきますが、いざ出かけてしまえば鳴くこともいたずらすることもありません。とてもいい子にお留守番してくれているのを、ペットカメラで確認しています」 1匹の保護猫が飼い主の働き方まで変えた事例で、齋藤さん自身も猫が1日中そばいる生活は大変幸せだという。それが生活の質や仕事のモチベーションを上げる結果になり、猫にも会社にも感謝しているそうだ。 (まいどなニュース特約・平藤 清刀)

猫を殺して食べた虐殺事件 猫は野生化した「ノネコ」ではなく、地元でかわいがられていた「地域猫」 動物愛護団体「厳罰を求めたい」

広島県呉市の山中で猫を刃物で突き刺したりするなどして殺害し、大学院生(24歳)が3月22日に逮捕された事件で、殺された猫は地元の人が世話をしていた「地域猫」ということが分かりました。 同市を拠点に活動する動物保護団体「呉アニマルピース」などによると、猫の世話をしていたという地元の人は同団体のサポート賛助会員のメンバーで、その家族が警察に通報し事件が発覚。大学院生は「猫を殺したことは間違いないが、動物愛護法に触れないノネコ(野猫※)だと思っていた」などと供述しているといいます。広島地検呉支部は28日までに、動物愛護法違反の疑いで逮捕・送検された大学院生を処分保留のまま釈放。検察が今後、任意での捜査を続けるそうです。 ※ノネコ…野生化した猫。飼い主のいない、山野などで主に野生生物を捕食して生きている猫のこと。市街地または村落などを徘徊して、人から餌をもらっている「野良猫」「地域猫」とは違う。 「呉アニマルピース」や関係者によると、2月に大学院生は同市内の山中でわなにかかった地域猫の頭をバールのようなもので殴打し、頭を足で踏みつけた後、腹を刃物で突き刺すなどして殺した疑いがあるとのこと。さらに大学院生は、殺した猫を解体して自ら調理して食べたほか、毛皮や頭蓋骨の標本を作っていたといいます。 その模様を動画に収めてインターネットの動画投稿サイトにアップし、公開していました。地域猫の餌やりなど世話をしていた団体メンバーの家族が動画を見て気付き、警察へ通報したそうです。 殺された地域猫について、呉アニマルピースの代表は「動画が公開された後の何日か猫を見かけなくなって、餌を食べにこないので、メンバーの方がおかしいなと思っていたところ家族の方がその動画をたまたま目にして…『餌をやっている猫じゃないの』ということで動画を確認し、お世話をしていた地域猫と分かりました。そのメンバーの方が10年ほど前からお世話をされていた猫ちゃんで、9年ほど前に地元の病院で避妊手術も終えています。年は10歳から11歳くらい。メンバーの方にとても懐いていたようです。 お世話をして、手術までしているのですから…野生化した『ノネコ』に当たりません。明確に動物愛護法の第44条(※※)に抵触する犯罪です。厳罰を求めたい」と話しています。 ※※第44条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金に処する。2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行つた者は、50万円以下の罰金に処する。3 愛護動物を遺棄した者は、50万円以下の罰金に処する。 (環境省・動物の愛護及び管理に関する法律より抜粋) (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

ロシアの進軍阻むため水浸しになった村、忍耐の限界に ウクライナ

【AFP=時事】ウクライナ軍は1年前、首都キーウ制圧を目指し進軍するロシアを阻むため、キーウの北約35キロに位置するデミディウ村の近くにあるダムを破壊した。村は水浸しになった。イワン・ククルザさんの自宅の地下室は今でも水が引かず、忍耐も限界に近付いている。 「水位を半分に下げてほしい。それでも戦車はここを通れないだろう」とククルザさんはAFPに話した。  ウクライナ当局は、ロシアが再び同盟国であるベラルーシから侵攻してくることを恐れ、対応してこなかった。  住民は自分で排水ポンプを調達したが、あまり効果はない。ククルザさんが自宅用に買ったポンプも冬の寒さで壊れてしまった。  政府からは2万フリブナ(約7万3000円)を賠償金としてもらったが、ククルザさんの地下室が今も氷のように冷たい大量の水に漬かっているという現実は何も変わっていない。  びしょ濡れの沼のような場所での生活は大変だが、それでも引っ越すつもりはないと話す。 ■住民の苦労  デミディウのウォロディミル・ポドクルガニー村長によると、政府は洪水で自宅が被害を受けたデミディウと周辺地域の住民数十人に移住案を提示したが、受け入れた人はこれまでに一人もいない。  村長は、当初の目標はキーウを防衛することだったと語った。そのため軍はキーウ近郊の貯水ダムの止水壁を爆破、数百万リットルの水がイルピン川に流れ込み、氾濫した。  川周辺は沼のようになり、キーウを目指すロシア軍の進みは遅れ、ウクライナ軍は態勢を立て直し、反撃に出ることができた。  戦略的には成功した。しかし、住民には影響があった。「200世帯が浸水した。住民がこの作戦で苦しんだことは明らかだ」と村長は言う。「私が受け取った、何とかしてほしいという嘆願書の山を見せることもできる」  だが、このままの状態を望む人もいる。  環境保護活動家らは、川の流れをこのままにすれば、旧ソ連時代に干拓されるまで広大な湿地だったこの地域の生態系の回復に有益だと指摘している。 ■「また楽園に」  ワレンチナ・オシポワさんも自宅の庭の生態系が劇的に変わったことに気付いていた。  ベリーやカリフラワーを育てていた畑は今はない。代わりに、昨夏にはビーバーたちがすみついた。庭で日なたぼっこをするビーバーと「友達になった」という。  デミディウの静かな田園風景に今では排水ポンプの動く音が響いている。だが、オシポワさんは希望を捨てていない。 「水が全部排出されて土地が元の状態に戻れば、ここはまた楽園になる」 (c)AFP/Thibault MARCHAND 【翻訳編集】AFPBB News

猫が「希望から絶望に変わる瞬間」 必死にふすまを開けたのに…えっ?「お顔が想像できちゃう」「OHTANIサン並みの剛腕w」

「希望から絶望に変わる瞬間」 こんなつぶやきとともに、動画をツイッターに投稿した「いり爺」さん(@iri_jii2020)。そこに映っていたのは、取っ手に右前足をかけてふすまを器用に開けるキジトラ猫ちゃん! と思ったら、目の前は柵でした…残念。話題の動画について、飼い主さんに聞きました。 「片手一本じゃないですか!? OHTANIサン並みの剛腕ですねw」 ふすまを開けたキジトラ猫ちゃんは、ちまきくん。2歳の男の子です。ふすまを開けて出られるかと思ったら、飼い主のいり爺さんが設置した脱走防止柵が…。ガーン!ちまきくん、出られません! 「笑ってしまいました(笑)必死に開けたのに…」 「頑張って開けた後の隙間から見るえっのお顔が想像できちゃうほどの可愛らしさです」 「器用に開けるなあw」 「ドアあけるねこちゃんはいるけど襖開けるねこちゃん初めて♡」 「片手一本じゃないですか!? OHTANIサン並みの剛腕ですねw」 そんなちまきくんのふすまを開ける姿に爆笑する人たちが続出。また片手で開けてしまう様子に「大谷さん並みの剛腕」と驚く人たちからたくさんのコメントが寄せられています。 多くの人をくぎ付けにしたちまきくん。ふすまを開けた向こうには何があったの? 飼い主のいり爺さんに聞いてみました。 ふすまを開ける器用なキジトラ猫に仰天! ふすまの向こうには何が? ――話題になったちまきくん。ふすまを開けたときのことをお聞かせください。 「最初ふすまの端に両手(両前足)を入れ開けようとしたんですが、突っ張り棒があり開けられませんでした。取っ手を見て作戦変更したのか、取っ手に右手(右前足)を掛け、ふすまを引き開けて手が入る隙間を作りました。すると、ふすまの端に両手(両前足)を掛けて引き開け成功したんです…」 ――でも、目の前に柵が。 「はい、格子状の柵ラティスです。一瞬呆然としたようで、ラティスの向こうを眺めていました。さらに、二足立ちでラティスとふすまの隙間から突破しようとチャレンジしましたが…隙間が狭く無理と判断、諦めてにゃーとひと鳴きして退散してくれました」 ――ちまきくんが行きたがるふすまの向こうには何が? 「寝室で飼っていますが、廊下を挟んで正面にはリビングがあります。餌が置いてあり、餌を求めてふすまを開けるようになりました。ただリビングに侵入され、餌だけでなく生ゴミやお菓子をあさったり、棚の上の置物を落として割ったりしたため、脱走防止のためにラティスを設置しました」 ――柵があるのにふすまを開けてしまうと…。 「毎日お腹が空いてくる朝5時ぐらいからふすまを開けだし、その音で起こされます」 ――早朝にふすまを開けてしまうんですね。そんなちまきくん、普段はどんな猫ちゃん? 「人間大好きで、初対面でもすり寄って膝の上に乗ってきます。寝室で放し飼いで、夜中に私の布団の中にしれっともぐりこんできます。そのため、寝返りが打てません。好きな遊びは猫じゃらしと、なぜか私の足にスリスリしてきます」 ――器用なちまきくんですが、元保護猫ちゃんだとか。 「2022年5月3日 妻が地域猫の餌場に餌をあげに行った時に、地域猫たちの中にいつもいない猫を発見。首輪の跡があり、肉球も室内飼いのようにきれいで、その場から移動しようとせず留まっていたことから、遺棄の可能性もあり5月5日に保護。その後に警察や愛護センターに問い合わせをしたところ、迷い猫の届けも出ておらず。またマイクロチップの装着も確認できず…5月5日のこどもの日に保護したことから、ちまきと命名しました」 こどもの日に保護されたふすま開けの名人ちまきくん。いり爺さんによると、お外の猫ちゃんのTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと)や、地域猫の見守り活動をサポートしている市民アドバイザーの奥さんが保護されたとのこと。またいり爺さんのおうちには、ほかにもハチワレ猫の承太郎(じょうたろう)くん(雄・推定2歳半)、兄妹で笹かま猫の寿(ことぶき)くんと三毛猫のひめちゃん(推定10カ月)の3匹がおり、ちまきくんも含めて里親募集中とのことです。 いり爺さんTwitterアカウント( @iri_jii2020) (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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