Friday, December 8, 2023

『教員が足りない』担任不在のクラスも発生 長年解消されない課題 単純に正規採用の枠を増やせない理由は

かつては人気の職業だった教員。しかし近年では教員の労働環境はブラックだとしてなり手が減少しています。こうした中、全国で教員の適切な配置ができない『教員不足』が各地でうまれています。 「正採用の枠を増やせばいい」「臨時教員を余裕を持って採用したらいい」などの意見があがるなか、単に人を増やせばいいという、単純な話ではないことが見えてきました。 全国の教員不足は2500人超 担任がいない学級も 授業や部活動の顧問、生徒指導など多岐にわたる業務によって、長時間の労働が課題となっている教員。離職者が増える一方、志望者は近年減少し、深刻な状況となっています。 2021年に文科省が調査した『教員不足』の実態。47都道府県と21の指定都市などを調査した結果、公立学校で2558人の教員が不足していることが明らかになりました。 都道府県別でみると、教員が不足していないのは山形、群馬、東京、新潟、和歌山、山口の1都5県のみ。大阪、愛知、福岡などの大きな都市部では60人近く足りない状況となっています。 沖縄県も教員不足の例外ではありません。 県教育庁によりますと、去年10月時点で96人の教員が不足。そしてことし9月の始業時点でも80人が不足し、担任の先生がいない学級が48にのぼっています。 不在となっている担任については教務主任や専科教員などが入り対応。現在のところ児童や生徒の授業に大きな影響は出ていませんが、現場の負担が増していることは否めません。 「正採用の枠を増やしても解決しない」そのわけとは 沖縄県内で、こうした教員不足が始まったのはここ数年の話ではなく、実は以前からの課題だったといいます。 慢性的な教員不足に加えて、▽産休や育休、病休などイレギュラーな形で現場を離れる教員が出てきたこと▽ここ10年で特別支援学級が1100クラス増えたこと▽きめ細かな指導を目的に、沖縄県独自の取り組みとして小中学校の少人数学級を実施しているため、必要な教員の数が増えていること、などがその要因とされています。 では「そもそも教員の正採用の枠を大幅に増やせばよいのではないか」と教育委員会の担当者に聞いてみましたが、担当者は「県議会等でも同じような話が出るが、それは現実的なことではない」といいます。 沖縄県の公立学校における毎年の教員の正採用はおよそ350人。この新規採用された教員が受けないといけないのが、文科省が定める初任者研修です。 研修では学級経営や教科指導、特別活動など、子どもたちの心身の成長のために定められた7つの項目を1年間かけて学びます。 研修期間中、新任の教員は授業を行えないことも多く、指導教員をはじめまわりの教員のサポートが不可欠です。このため教員数に余裕のない小規模校や離島校では研修の受け入れが難しいのが実情です。 今でも1つの学校で複数の新任教員を受け入れていて、仮に現在不足している100人近くを採用しても、受け入れる学校がないのです。 なり手不足の解消へ 目指すのは『潜在的な教員』の掘り起こし では、臨時教員を採用すれば問題は解決するのでは?とも思えますが、それも簡単なことではありません。 教員を希望する人材の大半は、すでに新年度の時点で採用されていて、毎年2000人あまりが臨時教員として、すでに教鞭をとっています。このため次の方策として教職の志望順位の低い人たちの中から意欲のある人材を確保することになりますが、厳しい人材獲得競争の中ではそう簡単ではありません。 学校人事課・稲福政彦班長 「ぜひ、みなさんのお力が必要です」 この現状を解消するために県が今年から力を入れているが、教員免許を持ちながら教員にならず就職したり、子育てを機に学校を離れたりした『潜在的な教員』の掘り起こしです。 ことしに入って複数回、説明会を開催したり、実際の授業の見学や現役教員との意見交換などの場を設けたりして、人材に対して『教員の仕事の見える化』に取り組んでいます。求職者からのアプローチを待つのではなく、興味を持ってもらいやすい環境を作るのが狙いです。 このほか、採用の年齢制限の引き上げや、臨時教員として3年以上勤務した場合に正採用試験を一部免除するなど特別枠を設けたほか、各学校や各地の教育事務所も採用活動を行うことで、少しずつ成果が出てきています。 しかし県の担当者は「若干回復しているかもしれないが、現在も教員の未配置があり、改善しているとはいえない」として、更に取り組みを進めたいとしています。 子どもたちの学びの環境を整備するとともに教員の働き方を改善するため、教員不足問題の解消に向けた取り組みをさらに進めることが求められています。

沖縄県知事、国連演説に向け出発 辺野古移設「国際社会に問う」

 沖縄県の玉城デニー知事は17日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設などを巡り、スイス・ジュネーブで開催中の国連人権理事会で演説するため、那覇空港を出発した。国際社会に移設反対を直接訴え、計画を推進する日米両政府の譲歩を引き出したい考え。国連での演説は、2015年9月に同理事会で演説した翁長雄志前知事以来となる。  玉城氏は17日午後、那覇空港で取材に応じ、「非常に緊張している。対話によって解決を求めていく姿勢が間違っているのか、国際社会に問いかけたい」と述べた。  各国代表に発信したい内容として「基地問題から垣間見える、人権や民主主義の問題を訴えたい」と語った。

川遊び後に「レプトスピラ症」に 重症化で死亡リスクも…注意呼びかけ 沖縄・西表島

沖縄県の西表島の川で、先月、カヌーをこいだりしていた10代の男性5人のうち4人が、重症化すると死亡リスクもある「レプトスピラ症」にかかったことがわかりました。 沖縄県によりますと、石垣市在住の10代の男性5人は、先月21日、西表島の川で、カヌーをこいだり泳いだりしましたが、その後、発熱や頭痛などの症状を訴えて入院しました。 このうち4人が検査の結果、レプトスピラ症と診断され、残る1人も検査を予定しています。 レプトスピラ症を引き起こす病原性レプトスピラは、ネズミなど野生生物の腎臓に潜み、その尿が排せつされた土壌や水にヒトが触れた際、皮膚の傷や粘膜を通じて感染し、腎機能障害などを引き起こします。 沖縄県は、皮膚に傷があるときは、川で泳がないなど、注意を呼びかけています。

ソフトバンク球団史上初の「屈辱」回避なるか…「2桁勝利なし&規定投球回到達ゼロ」の危機

ソフトバンク・有原 ソフトバンクが球団初となる「2桁勝利なし&規定投球回到達ゼロ」の危機に直面している。シーズン残り20試合となった状況でチームの勝ち頭は7勝を挙げている有原、最多投球回は石川の113イニング。ともにシーズン残りの登板機会は多くても3~4度ほどで、2桁勝利か規定投球回到達をクリアするには高いハードルを越えなければならない。 13日の西武戦に先発予定の有原はシーズン序盤はファームで調整。今季初登板は6月6日のDeNA戦だった。そこから13試合登板でここまで7勝4敗。残りの登板機会を考えると、今後は白星を逃すわけにはいかない。メジャー挑戦前の日本ハムでの6シーズンで3度の2桁勝利を挙げた右腕が本領を発揮できるか。 チームで最多の投球回をマークしている石川は規定の143イニングまでは残り30イニング。残りの登板数でのクリアは現実的に厳しい数字と言える。8月18日の西武戦でノーヒットノーランを達成したときのような快投を続けられるか注目だ。 ホークスで2桁勝利投手が不在だったのはダイエー時代の2000年までさかのぼる。当時は永井、若田部、リリーフだった篠原、吉田の4人が9勝を挙げ、チームはリーグ連覇を達成した。一方、規定投球回到達者ゼロは18年が最後。チーム最多の投球回は千賀の141イニングで、規定到達にあと2イニング足りなかった。ただ、2桁勝利なしかつ規定投球回到達ゼロとなれば、球団では過去にない。 現在パ・リーグはトップの14勝を挙げているオリックス・山本を筆頭に、2桁勝利到達は5人(同・宮城、西武・高橋、同・平良、ロッテ・種市)。規定投球回到達もトップの158回1/3を投げている日本ハムの上沢を含め4人がクリアしている(同・加藤貴150回1/3、西武・高橋148イニング、オリックス・山本143イニング)。ソフトバンクの先発投手陣は意地を見せられるか。

鹿児島・十島村で震度4、津波の恐れなし…震源はトカラ列島近海

 11日午前0時2分頃、トカラ列島近海を震源とする地震があり、鹿児島県十島村の悪石島で震度4を観測した。気象庁によると、この地震による津波の心配はない。  震源の深さは約30キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5・3と推定される。

子どもの車内放置死防ぐために 専門家が勧める貴重品の置き場所

 岡山県津山市で9日、2歳児が車内で約9時間半、置き去りにされ、死亡する事故が起きた。同様のケースは各地で後を絶たない。予防に取り組むグループは、子どものそばに貴重品を置くといった防止策を呼びかけている。  8月26日、北九州市の商業施設の屋外駐車場に駐車中の車内で生後10カ月の男児が置き去りにされ死亡した。車内はエンジンが切られ、窓を閉め切った状態だった。両親は別々に車を降り、ともに「相手が連れて降りたと思っていた」と説明していたという。警察の検証では、車内温度が約50度に達した可能性がある。  2022年11月には、大阪府岸和田市で乗用車に女児(当時2歳)が約9時間取り残され、熱中症で死亡した。父親が保育所に車で送り届けたと思い込んだまま帰宅して自宅駐車場に駐車し、車を離れたという。  福岡県中間市の保育園や、静岡県牧之原市の認定こども園でも、それぞれ園児が送迎バスに取り残されて死亡した。  NPO法人「セーフ・キッズ・ジャパン」(東京)は「人は誰でも間違える」「間違えたり忘れたりしても、重症度が高い事故にならないような仕掛けが必要」とし、▽子どもがチャイルドシートを降りたらぬいぐるみを置き、座ったらぬいぐるみを助手席に置く▽後部座席にスマートフォンや財布、バッグなどの貴重品を置く――といった防止策を提案している。【菅沼舞、井手千夏】

待機児童数が全国最多だった鹿児島市、全国で最も減る 何をした?

 鹿児島市の保育所利用待機児童(4月1日現在、認定こども園含む)は21人で1年前より115人減り、全国の市区町村で減少数が最も大きかった。こども家庭庁が9月公表した「保育所等関連状況取りまとめ」で明らかになった。  鹿児島市は、1年前の2022年4月1日現在では、待機児童数が136人と全国最多だった。危機感を覚えた市はさまざまな施策を推進。金銭的支援として、利用定員増を図る施設に改修費として2分の1(最大250万円)を補助▽奨学金返済を抱える新人保育士に最大月1万3000円を3年間補助▽待機児童が多い地域で就職する保育士有資格者に10万円とその1年後に10万円を支給――などを実施した。さらに、ある年齢で定員いっぱいでも別の年齢層で空きがあれば融通する年齢別利用調整、空きが出た施設の情報をきめ細かく保護者に伝える態勢整備など、ソフト面の対策も取り組んだ。  23年度の補正予算では、奨学金返済補助を新人以外にも拡大。給与について、常勤保育士を月2万円増、それ以外を同1万円増にした。また、現在1万3426人の市内保育施設の定員を840人増やすことも計画。差し当たって17施設(定員299人)を選定した。山之内匡洋(まさひろ)・市保育幼稚園課長は「施策の成果が出た。引き続き受け皿と保育士の確保を一体的に進め、待機児童解消を図りたい」と話している。  また、待機児童数の減少数2位は千葉県八千代市が74人、3位兵庫県明石市が56人、4位沖縄県南城市が55人、5位東京都町田市が45人。一方で鹿児島県奄美市の待機児童は皆増の25人で、増加数は全国ワースト4位だった。【梅山崇】

玉城デニー沖縄知事、国連人権理出席へ 辺野古など政府方針に反対訴え

沖縄県の玉城デニー知事は8日の記者会見で、今月後半にスイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会に出席すると発表した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画の反対を訴えるなど、政府方針と異なるスピーチを行う。移設計画をめぐっては4日の最高裁判決で県の敗訴が確定したばかりで、玉城氏の言動は物議をかもしそうだ。 玉城氏は会見で、国連出席の目的について「辺野古新基地建設に反対する理由や基地から派生する諸問題の解決の必要性などを幅広く発信する」と述べた。 17日に出国し、18~21日の人権理事会で複数回スピーチする。また、現地で米軍基地と人権などをテーマにした講演会を行い、23日に帰国するとしている。 辺野古移設計画では、国が申請した工事の設計変更を承認するよう国が県に是正指示を出したことに対する訴訟で、最高裁が4日に県側の上告を棄却し、県の敗訴が確定している。8日の会見で記者から「判決と矛盾するのではないか」との質問が出たが、玉城氏は「県の正当性は引き続き主張できると考えている」と述べた。 一方、最高裁判決を受けて設計変更を承認するかどうかは、「今後の対応を検討している」と述べるにとどめた。 玉城氏の国連出席については賛否両論があり、自民党沖縄県連が6日、玉城氏に「国内法秩序をないがしろにしかねない言動は厳に慎んでほしい」と申し入れていた。

【台風情報】台風13号は8日から関東に近づくか 今年の『秋台風』は本州に向かう可能性増 その理由は

台風13号が9月5日午後9時に沖縄の南東の海上で発生しました。 台風は6日午後3時現在、南大東島の東約320キロを1時間におよそ30キロの速さで北東へ進んでいます。 中心の気圧は1000ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルとなっています。 沖縄の大東島周辺の海域では6日夜にかけてうねりを伴い、波が高くなりそうです。 気象庁の台風予報では8日(金)から9日(土)にかけて関東などに接近が予想されています。 台風13号の今後の進路は (9月7日午前3時) 日本の南にあり、中心の気圧は998ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートルが予想されます。 (9月7日午後3時) 八丈島の南西にあり、中心の気圧は994ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルが予想されます。 (9月8日午後3時) 館山市の東南東約40キロにあり、中心の気圧は994ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルが予想されます。 (9月9日午後3時) 東北地方の近くにあり、中心の気圧は1000ヘクトパスカル、中心付近のは18メートル、最大瞬間風速は25メートルが予想されます。 『夏台風』と『秋台風』 その違いは 9月に入り、台風に気が抜けない日が続いています。 1年間で最も台風が発生するのは8月ですが、7から10月にかけては台風の発生数が多く台風シーズンとなります。 その中でも、台風は大きく『夏台風』と『秋台風』の2パターンに分けられます。大きな違いはなにか、それは『進路』です。 梅雨が明ける7月頃から台風は増加しますが、7から8月に発生する台風は『夏台風』に分類されることが多いです。 夏台風は日本付近に張り出す太平洋高気圧の縁を回って、西寄りに進み、ゆっくりと沖縄に近づいた後、方向転換して本州へとスピードを上げて北上する特徴があります。 一方、9月から10月は太平洋高気圧の日本への張り出しが弱まるため、台風が発生すると沖縄の東の海上を北上しやすくなります。これが『秋台風』です。 本州への上陸が多くなる?ことしの『秋台風』の特徴とは 秋台風はスピードが比較的早く、また本州に上陸する事も多いため警戒が必要です。 過去、日本に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風(1959年)は9月に発生した代表的な秋台風といえるでしょう。 沖縄では、秋になると台風の接近はやや少なくなる傾向にありますが、夏台風のように沖縄に向かってくる台風が発生する可能性ももちろんあります。 また、現在エルニーニョ現象が発生しているため、秋になると台風の発生位置が南東にずれる傾向があり、今後、本州へと向かう秋台風が増える可能性があります。 10月にかけては台風シーズンが続きます。日頃から台風への備えをしっかりと行っていきましょう。

なぜバスケット日本男子は歴史的勝利を挙げることができたのか…眠れずに迎えた『大一番』、花開いたトム・ホーバス監督の〝信念〟【W杯】

◇27日 バスケットボールW杯 1次リーグE組第2戦 日本98―88フィンランド(沖縄アリーナ)  日本男子を歴史的勝利をもたらしたトム・ホーバス監督。東京五輪で女子を銀メダルへと導いた時と、同様の方針を貫いた。  身長、パワーでは海外強豪国に劣る日本。スピード、3点シュート、そして40分間を激しく力強く動き続ける持久力を武器に、1試合80点超を理想とする点を取って勝つチームを作り上げた。この日もフィンランドに後半18点差をつけられても諦めない。「14点差、15点差は、うちのチームのバスケットなら2分で縮まる点差」と主将の富樫勇樹(千葉J)。富永を中心とするシューター陣の3点シュートで逆転した。  「困った時はPG。PGが責任を持て」という方針も女子の東京五輪の時と同じ。当時の司令塔・町田瑠偉(富士通)の活躍が記憶に新しいが、この日は22歳の河村勇輝(横浜BC)が巧みなノールックパス、さらに自らもシュートを打ちにいって25得点、9アシストと爆発した。  選手との接し方も変えない。「世界一の練習量」を課して、黒星を積み過ぎて自信を失いかけた選手たちに明確な目標を与えた。対話を重視して、熱い言葉で鼓舞し、成長と勝利を信じ続けた。  熱い指揮官のイメージがあるが、この日はひと味違った。東野智弥技術委員長は「トム、昨日寝られなかったんですよ。いろいろ考え過ぎて。きょうも第3クオーターまでベンチで負けたのかのように座って、らしくなかった」。それだけ“勝負の1戦”という重圧があったのだろう。ただ後半に3点シュートが入り始めると、熱量を取り戻した。  「とてもクレイジーな試合だった。18点差にも諦めなかった。日本のバスケットボールにおいてとんでもなく大きなステップになった」とホーバス監督。方針をぶらさなかったことで歴史の扉を開いた。

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