Friday, December 8, 2023

5カ月で早逝した「ようすけ君」 母の思い託した絵本再版へ

 生後5カ月で亡くなった男の子にちなんだ絵本が大切に読み継がれてきた。絵本のモデルとなったのは、20年前のイラク戦争を機に、ナガサキを語り始めた女性だった。「今こそ再版すべきとき」と当時、出版に関わった人たちが思い立ち、実現に向けて協力を呼びかけている。  女性は、京都府城陽市の真柳(まやなぎ)タケ子さん(79)。1歳の時に長崎の爆心地から1・8キロの自宅で被爆し、結婚を機に京都に移った。22歳で産んだ長男は先天性の心疾患で生後5カ月で亡くなり、「自分の被爆のせいでは」と苦しんだ。それでも「私には記憶がない」とナガサキを語ることに迷いがあった。  転機は2003年のイラク戦争。子どもたちの犠牲に心を痛め「戦争がどれだけ恐ろしいことか伝えなければ」と04年、母の上村吉(きち)さんから聞いた被爆時の話を基に、証言活動を始めた。  「真柳さんの語りを形に」。活動に感銘した佛教大の学生グループが発案し、京都精華大の学生も加わって絵本の制作を始め、「ようすけ君の夢」と題した物語を創作した。 ◇生き続ける亡くなった息子  主人公は京都で暮らす小学5年の少年。夏休みにナガサキから来たという「ようすけ君」と仲良くなる。戦争ゲームを始めたとたんに泣き出した「ようすけ君」は、夢で見た恐ろしい光景を語る。後日、少年の学校で被爆した女性の証言を聞く機会があり、その内容は「ようすけ君」が話したそのままだった。  女性の幼くして逝った息子は「ようすけ」。その後「ようすけ君」は消えた--。「ようすけ」は真柳さんの長男の名前だ。  被爆者と若者が協働した作品は08年、英仏語訳を添えて「クリエイツかもがわ」(京都市)から出版された。真柳さんは証言活動で活用し、小学校や図書館などにも寄贈した。「絵本が読み継がれることで亡くなった息子も生き続ける」と思ってきた。 クラウドファンディングで呼びかけ  証言を始めて20年近く、絵本の出版から15年。世界で戦争は絶えず、核兵器による威嚇もやまない。ウクライナで戦争が始まって1年余りたった今夏、絵本の再版プロジェクトが動き始めた。  代表は、初版当時の中心だった佛教大の学生を教えていた黒岩晴子・元教授で、「以前から再版の要望があり、今が時機だと思った」と踏み切った。ソーシャルワーカーとして関西に暮らす被爆者の生活支援や相談に長く関わり、平和を願う被爆者の思いを受け止めてきた。真柳さんとも相談して1000冊の再版を目指し、クラウドファンディング(CF)などを通じた呼びかけを始めた。  真柳さんは新型コロナウイルス禍で証言活動を控えていたが、7月にあった城陽市の平和イベントで再開した。ウクライナでの戦争は終わりが見えず、核兵器使用が現実になる危機感がある。「ようすけ君の夢」とは、核兵器や戦争のない世界。「この絵本を一人でも多くに、特に若い人に読んでもらい、平和がいつまで続くのか少しでも考えてほしい」と願う。  寄付はCFサイト「キャンプファイヤー」で10月17日まで受け付けている。【宇城昇】

捜査員が押収スマホから誤投稿、インスタに容疑者の犯行時の移動経路画像…京都府警が謝罪

 京都府警城陽署の捜査員が6月、窃盗事件で証拠品として押収した容疑者のスマートフォンを調べた際、操作を誤り、犯行に関連する画像をインスタグラムで投稿していたことが分かった。スマホの返却を受けた容疑者側が気づき、同署は謝罪したという。  捜査関係者らによると、容疑者は、6月に窃盗容疑で逮捕された。同署は共犯者との連絡履歴などを確認するため、押収したスマホのSNSについて、容疑者の同意を得て調べた。  その際、担当の捜査員がスマホに保存されていた画像をインスタグラムに誤って投稿した。画像は、容疑者が犯行時に移動した経路を示したもので、共犯者から送るよう求められていた。  投稿は24時間で自動的に消去される設定だったが、その間は誰でも見られる状態だった。知人らから投稿に反応が寄せられたため、釈放された容疑者が気づき、府警に確認を求めて発覚したという。  容疑者弁護人の松本亜土弁護士(大阪弁護士会)は取材に「プライバシーに関わる証拠は慎重に取り扱うべきだ」と述べた。府警は「捜査員の単純ミスで申し訳ない。再発防止に取り組む」としている。

バンパーにカメラ取り付け盗撮 被害は1000人規模か 容疑で運送業の男逮捕

 配送用の車のバンパーにカメラを取り付けて女子高生らのスカート内を盗撮したとして、京都府警人身安全対策課は19日、府迷惑行為防止条例違反(常習盗撮)などの疑いで、京都市伏見区、運送業の男(44)を逮捕した。府警によると、男は10年以上前から盗撮していたとみられ、被害は千人規模に及ぶという。  逮捕容疑は昨年9~12月、京都市や宇治市の路上で、軽トラックのバンパーに取り付けたカメラで、すれ違いざまに小学生女児や女子高校生ら8人のスカート内の脚など下半身を撮影した疑い。  府警によると、男は配送用の軽トラックのバンパー左右の端にカメラを取り付け、歩行中や自転車に乗っている女子高生らの姿を見つけると速度を落とし、並走するような形で盗撮していたという。  府警の説明では、男の自宅を捜索し、ハードディスク30個以上から大量の盗撮されたとみられる動画が見つかった。ファイルから少なくとも11年前から盗撮を繰り返していたとみられ、市販のドライブレコーダーを悪用していたという。  男は、知人女性にわいせつな画像を送信した同条例違反と、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(所持)の容疑でも逮捕された。

ベニシア・スタンリー・スミスさん死去 72歳、英国出身で京都・大原暮らし

 京都・大原の古民家に移り住み、ハーブを中心とした英国風の庭づくりや伝統を生かした暮らしを伝えたベニシア・スタンリー・スミスさんが21日午前8時33分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため自宅で亡くなった。72歳。葬儀は近親者で行った。喪主は夫の梶山正さん。  イギリス貴族の家に生まれ、19歳で祖国を離れ、インドを経て1971年に来日。78年に京都大(京都市左京区)の近くで英会話学校を開いた。96年に大原の築約100年の古民家に家族で移住。山里の四季の移ろいの中でハーブや花を育て、イースターや七草がゆなど伝統を尊重しながら生きる暮らしを文筆や講演、テレビ番組を通じて紹介してきた。  京都新聞では2001年から、その生活の様子と交友をつづる「ベニシアの大原日記」を計62回にわたって連載した。NHKの番組「猫のしっぽ カエルの手」などにも出演し、その暮らしぶりや生き方に憧れる人が大原に大勢訪れた。

20代女性の首や手を押さえ付けて性交、容疑の大学生の男を逮捕

 滋賀県警彦根署は1日、強制性交の疑いで、滋賀県彦根市の大学生の男(20)を逮捕したと発表した。  逮捕容疑は、5月28日午前0時40分~同1時50分ごろ、同市内で県内の20代女性の首や手を押さえ付けるなどし、性交した疑い。

13歳女子生徒と性交繰り返す 家庭教師の男に実刑判決

 家庭教師として教え子の女子生徒と性交を繰り返したとして、児童福祉法違反などの罪に問われた無職男の判決公判が10日、京都地裁であった。安永武央裁判官は「家庭教師としての立場を利用した」として、懲役3年(求刑懲役6年)を言い渡した。  判決によると、女子生徒=当時(13)=の家庭教師だった2018年10月から約2年半にわたり計12回性交するなどした。また、20年5月~21年3月、性交の様子などをスマートフォンで撮影し、自身のタブレット端末に保存した。  安永裁判官は判決理由で、男が家庭教師として女子生徒の相談に乗るなどして関係性を深める中で好意を抱き、性交するよう働きかけたと指摘。男が女子生徒より19歳年上だったことなどを挙げ、「性的な知識・経験の未熟な生徒に対する常習的犯行で、心身の健全な育成を大きく阻害した」と非難した。

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