Friday, December 8, 2023

テニス、マラソンの変化についていけない日本メディアの前時代感

【スポーツ時々放談】 テニスの「木下グループジャパンオープン選手権」は米国の新鋭ベン・シェルトンのツアー初優勝で幕を閉じた。全米大学体協(NCAA)からプロ転向して1年目の21歳で、先の全米オープンでいきなり4強、父ブライアンは松岡修造と同世代の選手だった。 錦織圭の欠場、東京五輪金メダリストのズべレフは初戦敗退……それでも客席は想像以上に埋まった。日本のディープなテニス理解を裏付ける光景に、ダニエル太郎も驚いたという。世界ランク97位のダニエルは、西岡良仁(同44位)と共に錦織世代を代表し日米欧に拠点を作った国際派だけに、コメントは参考になる。予選で野口莉央、世界358位と対戦した。 「日本選手のレベルが上がっているのに驚いた。島袋君にしても、国内にかなりの情報と指導力があることが分かった」 今回は初戦で敗れたが、島袋将は早大卒業後にプロ転向した晩稲ながら、今年のウィンブルドン、全米の予選を突破し、今年ここまでの賞金獲得は3400万円だ。ダニエルはかつて、海外拠点のあるなしで情報の質も量も練習時間も格段に違うと話していた。実際に、錦織、西岡、今回活躍した望月慎太郎のように盛田ファンドの支援を受け、ジュニアの早い段階から米国のアカデミーで研鑽するのが世界への近道とされてきた。 そうした環境の変化を率直に感じたようだ。テニスだけではない。駅伝、マラソンで、厚底シューズの開発競争により記録の概念が変わったことは以前に書いた。 記録だけではない。8月にメキシコシティーマラソンで参加者の3分の1、1万1000人が“不正ゴール”とのニュースが流れた。大阪、名古屋と同じ世界陸連ゴールド大会だから何か手違いだろうが、マラソン歴40回の元メキシコ大統領候補のコメントが面白かった。 「今のマラソンは、参加者全員が絶対ゴールしようと考えてスタートするわけじゃない。日頃の練習をしっかりした条件で確認する、雰囲気を味わう、参加賞が欲しい、いろいろいるんだ」 ひたすら「オリンピック代表」を連呼する日本のスポーツメディアは、こうした変化、多様化にはついていけないようだ。その証拠に、ジャパンオープンの会場は大会史上最高の観客で埋まったが、プレス席だけはガラガラだった。 (武田薫/スポーツライター)

「最悪のスポーツ精神」と反感集まる。ハンガリーの女子テニス選手が試合中に取った不審な行動とは?【動画】

テニス大会「ハンガリアン・グランプリ」に出場したアマリッサ・キアラ・トート選手(左)とジャン・シューアイ選手 あわせて読みたい>>超ミニ姿を批判された人気ハリウッド俳優。「年相応でない」に対する反論が最高すぎた テニスプレイヤーが試合中に取った不審な行動が議論の的となった……。 ハンガリー出身のアマリッサ・キアラ・トート選手が、地元開催の女子テニス大会「ハンガリアン・グランプリ」で対戦相手のジャン・シューアイ選手(中国)に対して取った行動をめぐって反感を集めている。 問題の行動は、7月18日にハンガリー・ブダペストで行われた試合中に起きた。 ジャン選手が打ったフォアハンドを線審、主審ともにアウト判定したことに、ジャン選手が異議を唱えた。その間にトート選手がライン際に近づき、ボールの跡を左足で擦って消したのだ。 SNS上にもこの時の様子を捉えた動画がアップされており、そのうちの1つでは、足でボール跡を消すトート選手に向かって「待って、待って、待って。ボール跡を消さないで」と言うジャン選手の声が聞こえる。 「なぜそんなことをするの」とショックを受けたジャン選手がコート上からトート選手に何度も呼びかける。それに対し、トート選手は「あなたが問題を起こしているから」と答えている。 ジャン選手はこの試合を棄権することに。 涙目のジャン選手は医療スタッフと話し、審判とトート選手それぞれと握手を交わし、棄権を表明。ジャン選手が背中を向けると、トート選手は勝利を祝うかのように両手を上げた。 ジャン選手はコートから去る前に、判定に異議を唱えた時にブーイングを浴びせた観客に対し、指をさして抗議の姿勢を見せた。 一連の問題を受け、女子テニス協会(WTA)は20日までに公式Twitterに声明を投稿した。「WTAは、いかなる形であれ、いかなる文脈であれ、人種差別を許さない」とし、問題については「現在調査中だが対処する」としている。 ジャン選手は自身のTwitterに、「練習に注ぎ込んだ努力はすべて間違っていた。ラインギリギリを攻めようと思って打ったのに、ラインに触れてもアウトになったんだから……。私の味方になって支えてくれたみんな、大好きです」とコメントを投稿した。 ネット上では「これまで見たスポーツ精神の中で最悪なものだった」「あなたの振る舞いはすばらしかった。ポイントや試合以上のものを勝ち取りました」「トート選手はポイントを獲得したかもしれないが、あなたは世界中のファンとサポートを得ました」「次の試合を楽しみにしてます」などジャン選手へのメッセージが相次いでいる。 ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

涙の棄権した女子テニス中国選手、“蛮行”の相手にも貫いた品格に日本人選手敬礼「尊敬する」

WTAツアー・ハンガリアンGP 女子テニスでの“蛮行”が波紋を広げている。ハンガリアンGP(ブダペスト)は現地時間18日、女子シングルス1回戦が行われ、アマリッサ・トート(ハンガリー)が張帥(中国)の棄権により勝利した。ライン際の際どいアウト判定に張が抗議。判定は覆らず試合が続行されると、トートがボール跡を足でもみ消し。張が精神的なショックから棄権するとトートは歓喜。一連の振る舞いが批判を浴びていたが、日本の現役女子テニス選手は張が最後まで貫いたスポーツマンシップに「尊敬する」と敬礼している。 最後まで品格を失わなかった。第1セットの5-5で迎えた第11ゲーム。張のショットがライン際でバウントするとアウト判定になり、審判に抗議した。オーストラリア放送局「セブン」によると、抗議する張には会場から野次が飛ばされ、それをトートも「笑って」いたという。 判定は覆らず試合が続行されると、トートは足で踏んで擦るようにボール跡を“隠滅”。張は再び抗議するも判定は変わらず、その後このゲームを落とした。ベンチに戻った張はパニック発作を理由に棄権。それでも審判と、“蛮行”を働いたトートと握手してから退場した。 実際の動画をポルトガル地元紙「レコード」の記者などを務めるジョゼ・モルガド氏が自身のツイッターで公開すると拡散され話題に。穂積絵莉(日本住宅ローン)も反応した。全仏オープン女子ダブルス準優勝の経歴を持つ29歳は、「こんな状況でも審判と相手と握手をする、そんなShuaiをわたしは尊敬しています」と張を称賛。別の投稿ではトートの振る舞いに「あまりに衝撃で言葉が出ない」と驚きを隠せないようだった。 THE ANSWER編集部

【全仏テニス】加藤未唯の失格後Vに責任者、参加継続の大会側判断が「ポジティブ」と一件落着感

4日のテニス全仏オープン女子ダブルス3回戦で、加藤未唯(28=ザイマックス)の送球がボールガールに直撃し「失格」となった騒動について、大会責任者のトーナメントディレクター、アメリ・モレスモ氏が11日、パリ・ローランギャロスで会見した。 決定は「かなり明確なグランドスラム(4大大会)の規則に基づいた」ものだとして、主審やスーパーバイザー(運営責任者)の判断を尊重。フランスTVinfoの公式サイトが「モレスモ氏が論争に答える」とのタイトルで報じた。 同氏は会見で23年大会を総括。大きなトピックとなった加藤の失格に関して聞かれると、まず「ロッカールームでは非常に意見が分かれている。たくさんの人が『不公平だ』と言っていて、また別の人々は『7、8分の間、ボールガールを泣かせたことには何か意味がある』と意見していたと聞いた」と賛否両論を紹介した。 続けて「私は(是非について)コメントするつもりはない。決定を下した後にビデオを見ることは簡単だからだ」と言い、その場で映像確認しなかった主審と運営責任者の行動に対して「とても明確なルールに照らし合わせた結果」と、ビデオ判定しなかったことは規則通りと擁護した。 実際、加藤は当初の「警告」から「失格」とされた後、映像判定を求めたが、認められなかった。現行の規則では、ビデオ判定の対象となるのは、試合中のボールのインとアウトの確認だけとされている。 その後、加藤は賞金とポイントを没収されたが、続く混合ダブルスに出場し、初の4大大会制覇という対照的な成果で笑顔を取り戻した。 一方、ある種目で失格になった場合「以降の種目にも出場できなくなる可能性がある」と規則に明記されている中で、温情とも、罪滅ぼしとも捉えられる大会側の判断が、また別の物議を醸しているが、モレスモ氏は「彼女(の大会参加)を継続させる決定があったことは、少なくとも彼女にとってポジティブに働いた」と一件落着感を出した。 今回の失格問題に関しては5日、不服とする加藤が4大大会委員会(GSB)を提訴。プロ選手協会(PTPA)も7日に「処分は不当で不公平」との声明を出し「最低でも賞金とポイントを回復させる必要がある」と指摘していた。(松本愛香通信員)

加藤未唯、全仏Vでも失格劇は反省「このようなこと無いよう…」 抗議されたペアに恨み節なし【テニス全仏OP】

全仏オープン混合ダブルス決勝 テニスの4大大会・全仏オープンは8日、パリのローランギャロスで混合ダブルス決勝が行われ、加藤未唯(ザイマックス)ティム・プッツ(ドイツ)組がビアンカ・アンドリースク(カナダ)マイケル・ヴィーナス(ニュージーランド)組と対戦。4-6、6-4の1-1で10ポイント先取のタイブレーク決戦に突入し、最後は10-6で勝利。逆転で4大大会初制覇を成し遂げた。加藤は4日の女子ダブルス3回戦で、試合中にまさかの失格処分を受けて敗退。優勝が決まった後も「このようなことがないように、気を引き締めて頑張る」と反省していた。 観客の拍手を受けて決勝のコートに立った加藤、プッツ組。第1セット、サービスの安定しない相手につけ込み第1ゲーム(G)でいきなりブレーク。第4Gで0-40とブレークポイントを握られるが、加藤のサービスと前衛プッツのボレーで盛り返し、死守した。しかしエンジンのかかってきた相手に第8G、第10Gでブレークされ、4-6で第1セットを奪われてしまった。 第2セットでは、第2Gで前衛の加藤が連続でボレーを決めるなど、互いに譲らない展開に。4-4で迎えた第9G、40-40のディサイディングポイントで加藤が最後は押し込んでブレーク。第10Gも加藤がボレーで最後のポイントを取り、セットカウント1-1に持ち込んだ。 第3セットは10ポイント先取のタイブレーク。加藤組が7-3で迎えた場面で加藤が見事なボレーを決めてリードを拡大。ここから相手が3連続ポイントと粘るも、最後は9-6から相手の返球がネットにかかって、加藤がグランドスラム初タイトルを掴んだ。勝利の瞬間、加藤は両手を突き上げてガッツポーズ。プッツとハグを交わし、笑顔で観客の拍手に応えた。 加藤は表彰式で、失格になった女子ダブルス3回戦で対戦した、サラ・ソリベストルモ、マリエ・ブズコバ組に対して「(今後)いい試合をしたいと願っている」と恨み節なく、爽やかに話した。また、表彰式後のTVインタビューでは「皆さんの温かい応援、メッセージも受け取ってプラスになった。全ての皆さんに感謝したい」と応援に感謝し、「これを機に私を知っていただいた方もいると思いますが、このようなことがないように気を引き締めて頑張りたい」と失格に関して反省を口にした。 加藤は女子ダブルス3回戦の第2セット途中、プレーが途切れたタイミングで加藤が相手コートに返したボールが、ボールガールに当たってしまった。ボールガールは涙。加藤は歩み寄って謝罪し、一度は警告と判断されたが、対戦相手がさらに抗議。最終的に裁定が変わり、失格となった。 敗退に涙した加藤は、後に自身のツイッターで賞金とポイントが剥奪となったことを報告。プロテニス選手協会(PTPA)は「偶発的で、攻撃的なものでは全くなかった」と、処分は不当であったと声明で擁護。加藤本人も失格処分の取り消しなどを提訴していた。海外メディア、ファンなども同情した一方で、執拗な抗議を繰り広げた相手ペアには批判が多数寄せられていた。 加藤は「失格は残念でしたが、今後いい結果が出て、私のポイントが戻されることを願っています」と剥奪されたポイントが戻ることを祈っていた。 プッツとのペアで勝ち上がった混合ダブルスでは、失格翌日の準々決勝ルイザ・ステファニ、ラファエル・マトス組に勝利して感極まり涙。準決勝では女子ダブルスでコンビを組んだスーチャディ、マトヴェ・ミデルクープ組にストレート勝ちしていた。全仏オープンのこの種目では、ウェスリー・クールホフと組んで優勝した柴原瑛菜(橋本総業)に続き、日本選手が2年連続で優勝を掴むことになった。 ■加藤未唯(かとう・みゆ) 1994年11月21日生まれ、京都出身。7歳でテニスを始め、2011年にグランドスラム大会の1つ、全豪オープン・ジュニアダブルスで準優勝。12年には全日本ジュニアシングルス18才以下で優勝を掴む。13年にプロ転向。17年全豪オープンでは、穂積絵莉との日本人ペアで史上初となるベスト4の快挙を成し遂げた。現時点の世界ランキングはシングルス410位、ダブルス31位。身長156センチ。 THE ANSWER編集部

【全仏テニス】加藤未唯「アルディラ勝利おめでとう!良きライバル」失格時ペアと混合4強で対戦

4日のテニス全仏オープン(パリ・ローランギャロス)女子ダブルス3回戦で失格となった後、混合ダブルスで準決勝に進出した加藤未唯(28=ザイマックス)が7日、SNSを更新した。 「いつも応援ありがとうございます。心温まるメッセージの数々にも、とても感謝いたします。アルディラ、勝利おめでとう! ポジティブに、前向きに、私の素晴らしい友人であり、良きライバルでもあるアルディラとの素晴らしいセミファイナルを迎えられることでしょう。ベストな組が勝ちますように!」 そのアルディラ・スーチャディ(28=インドネシア)と組んだ女子ダブルスでは、自身の返球がボールガールに当たってしまい、最初の警告から、まさかの失格処分に。涙を流してコートを後にする際、抱きしめて支えてくれたのが、スーチャディだった。 切り替えて迎えた混合ダブルスで、加藤はティム・プッツ(35=ドイツ)と組んでベスト4に進出。この日午後6時以降に行われる準決勝で、スーチャディ&マトヴェ・ミデルクープ(オランダ)組と対戦する。

【全仏テニス】中国ファンも怒り心頭「女優に転向した方がいい」抗議した対戦相手にあきれる

4日に行われたテニスの全仏オープン(パリ・ローランギャロス)女子ダブルス3回戦で、加藤未唯(28=ザイマックス)アルディラ・スーチャディ(28=インドネシア)組が「ボールガール直撃」騒動で失格となった件に関して、中国のテニスファンの間では議論百出している。 問題の場面では、相手コート側にいたボールガールへの加藤の返球が後頭部を直撃。対戦相手のマリエ・ブズコバ(チェコ)サラ・ソリベストルモ(スペイン)組が抗議したことで審判と主催者側が再考、判定を覆し、危険な行為となって「失格」を言い渡された。 中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では、対戦相手組へ批判の声が殺到。勝利が決まった後にほくそ笑んでいるように見える場面のキャプチャー画像が複数枚拡散され「スポーツマンシップがなく醜い」「品性がない」「何もせずに勝った」「好きだったけどもう一生ファンを辞める」などと怒りの声が上がった。中には、試合後のインタビューで「私たちはハプニングが悲しい」と話したことに触れ「女優に転向した方がいい」とあきれる人もいた。 また「計画性がないのに失格にするのは理解できない。不公平だ」と審判への否定的な意見が相次いだ。一方で、涙を見せた加藤に対しては「もっと強気になってよかった」との声も上がっていた。 この件については加藤も翌5日、失格となったことを不服とし、大会側に提訴した。 加藤の公式ホームページは日本語、英語のほか中国語にも対応している。

「スポーツマンシップの欠片もない」加藤未唯の失格を“告げ口”した相手選手に非難殺到…テニス界の大御所も苦言

全仏オープンの試合中、返球がボールガールに直撃し、失格となった女子テニス・加藤未唯選手(28)。6月7日にプロテニス選手協会が「失格は不当で不均衡で不公平」という声明を発表するなど擁護する声が続々と現れるいっぽうで、対戦相手の言動を非難する声が相次いでいる。 ことの発端は6月4日に行われた全仏オープン女子ダブルス3回戦。インドネシアのアルディラ・スーチャディ選手(28)とタッグを組んでいた加藤選手は、スペインのサラ・ソリベス=トルモ選手(26)とチェコのマリー・ボウズコバ選手(24)と対戦。ところがスーチャディ選手がリターンをミスした後、加藤選手が相手コートに返球すると、ボールはコート後方にいたボールガールの後頭部に当たってしまった。 「ボールガールは涙が止まらなくなるなどパニックを起こした様子で、加藤選手は歩み寄って謝罪。そこで一度“警告”と判断され、主審も『故意ではない』としました。ところがその後、スーパーバイザーらも協議に加わり、最終的に主審は加藤選手を失格処分とすることに。試合は中止となり、加藤選手は涙を浮かべ、スーチャディ選手に励まされながらコートを去りました」(スポーツ紙記者) 突如、失格扱いとなり、悔し涙を流した加藤選手。SNSでは《今大会で獲得した賞金とランキングポイントを没収されるというペナルティを受けることにもなりました》とも明かしていた。異例の判定に世界中が騒然となっているが、そのいっぽう相手選手の言動が現在物議を醸している。 「裁定が変わったのは、対戦相手のボウズコバ選手とソリベス=トルモ選手が失格を主張した影響が大きいといわれています。この2選手は加藤選手が警告された際に猛抗議し、ソリベストルモ選手は『彼女はわざとやったんじゃないの?』といい、ボウズコバ選手が『ボールガールは血が出ている。よく見てあげて』と話すシーンもあったといいます。また一部メディアでは『審判団が失格に同意したと思われる瞬間に2人が笑っているところが見られた』と指摘しています」(前出・スポーツ紙記者) ■テニスのレジェンドやテニスファンも両選手を批判 ソリベストルモ選手は5日、地元スペインのスポーツメディア「MARCA」の取材に対して「私たちを批判している人たちは試合を見ていない」とコメント。失格処分の決定を下したのはあくまで審判であり、「ルールはルールだ」と自身の正当性を主張したというが、しかしテニス界では非難する声が多数派のようだ。 ウィンブルドン選手権の大会史上最多優勝記録を打ち立てたこともあるマルチナ・ナブラチロワ氏(66)は5日、自身のTwitterで《失格を主張した対戦相手は恥ずべき》と糾弾。 また日本を代表する元テニス選手・杉山愛氏(47)も7日の「スポーツ報知」(web版)で《流れが加藤選手のペアにあった中での出来事で、相手もなんとか展開を変えようと審判に抗議に行き、問題をかき立てようとしていたのではないかと感じました。現地からの情報では、相手ペアが「女の子は血を流している」とも主張していたようで、事を大きくしようとしていたことは明らかです》と述べている。 さらに同日、プロテニス選手協会がこう声明を発表した。 《スポーツに関わる全ての個人、特にボールガールとボールボーイの安全とウェルビーイング(幸福)を確保することが私たちの最優先事項であることを約束します。しかし、ミユ・カトウとアルディラ・スーチャディを失格とした決定は、不当で不均衡で不公平なものです》 《少なくともミユとアルディラの賞金とランキングポイントを回復させる必要がある》 またテニスファンからも加藤選手への擁護と、ボウズコバ選手とソリベス=トルモ選手への怒りの声が上がることに。ネットでは、“告げ口”をした両選手に対して厳しい声がこう上がっている。 《相手方のプレーヤーが失格ではないかと詰め寄り、ボールガールが泣いてるし血が出ていると審判に抗議している姿に「あさましさとあざとさ」を感じた》 《警告も出たのに、それをわざわざ騒ぎ立てて失格に変更させるって…》 《最初の警告で良かったのに。相手の執拗な抗議によって変わったことが問題。審判、相手選手にもペナルティーを与えるべき》 《ブズコバ選手とソリベストルモ選手ペアは試合に勝ったけど勝負には負けた。彼らにはスポーツマンシップの欠片もない》

【全仏テニス】失格した加藤未唯の対戦相手「人々が言っていること、すべてを見るのがつらい」

<テニス:全仏オープン>◇パリ・ローランギャロス 4日の女子ダブルス3回戦で加藤未唯(28=ザイマックス)、アーディラ・スーチャディ(インドネシア)組が失格となった。ポイント間に打った球が、ボールガールに当たって失格となった。球はボールガールの頭に直撃。ボールガールが泣いてしまうというアクシデントだった。 加藤は失格処分を不服とし、4大大会側に提訴した。 フランス紙レキップも5日の電子版で、一連の出来事を大きく報じている。 「月曜日(5日)の混合ダブルスで涙を見せながら、会見で失格について振り返った」と書き出し、処分を求めたとされる相手の反応を次のように伝えている。 対戦相手のサラ・ソリベストルモ(スペイン)はシングルス3回戦で敗退後、加藤の件で質問され、こう答えたという。 「このスペイン人選手とチェコ人のパートナーは、事故の瞬間、背中を向けていたが、何が起こったかを説明するために審判員の方に急いだ」とまず、状況を書いた上で、コメントを書いている。 「これはとても良くない状況です。私とマリエ(ブスコバ)にとっては、人々が言っていること、すべてを見るのがつらい。昨日(4日に)我々がしたのことのすべては、審判員の方に向かって、何か起こったかの説明です。まず、我々は、ボールガールが泣いていたため『何かが起こった』と言った。それから『球が直接彼女に当たった』と言った。審判員はそれを見ていなかったので。そのあとは、スーパーバイザーの決定です。我々は何も損害を与えていません」 (松本愛香通信員)

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