【全文公開】木村拓哉、「事務所を立て直す」の強い思いで積極的に“全方位外交” 因縁を越えてDA PUMPのライブも訪問
俳優や歌手として、これまでヒーローでいつづけた木村拓哉(50才)にとって、この騒動がターニングポイントになることは想像に難くない。息をひそめるタレントが多い中、積極的に周囲と交わろうとする彼の胸中は──。 【写真】金髪七三分け・ジージャン姿の木村拓哉。他、Koki,と写る車中の木村、白黒ファッションのプライベートも 東京、池袋の大劇場。上下ともにデニム、足元にはタッセルつきのローファーを合わせたシルバーヘアの男性が、スタッフに深々と丁寧にお辞儀をして、その場を離れた。男性は木村拓哉。伊藤英明(48才)主演の舞台『橋からの眺め』を観劇したのちのワンシーンだ。 「伊藤さんは映画『レジェンド&バタフライ』(2023年)で共演してからというもの、木村さんが憧れの先輩だと周囲に公言しています。“それまで自分のためだけに頑張ってきたけれど、多くの人を笑顔にして、人生に影響を与える木村さんのような俳優になりたい”と口にするようになった。 伊藤さんは過去に舞台上でせりふが飛んだことが長くトラウマになっていましたが、木村さんの背中を見て、俳優業に再び生きがいを見出すことになったそうです」(映画関係者) 木村が観劇した9月22日、伊藤はインスタグラムに興奮気味にこう記している。 《大好き木村先輩が舞台を観に来て下さいました!!》 伊藤の奮闘に木村も影響を受けたようだ。この日、木村も伊藤と同じ舞台に出ていた和田正人(44才)とのスリーショットをインスタに投稿し、《本気の、物凄いエネルギーに拍手! 素晴らしかったぁ~!》と書き込んだ。 さらに3時間後には白いタンクトップ姿の自身の写真をアップして、《何だか異様に身体を動かしたくなってジムへ。やっぱり刺激を受けたからでしょうか…。がんばろ!》と意欲をみなぎらせた。異例となる1日2本のインスタ投稿にファンは歓喜した。木村の精力的な活動に芸能関係者も舌を巻く。 「木村さんはこの数日前、都内で行われたDA PUMPのツアーの初日公演をお忍びで訪れていました。その前には山下達郎さんのライブにも顔を出されています。いま、ジャニーズ事務所に所属する多くのタレントが外部との接触を避けるかのように、おとなしくしている印象です。 何をやってもバッシングされかねない状況ですから、目立ちたくないのが本音でしょうが、そんな中でも、木村さんは積極的に交流しています。何とか事務所を立て直したいという気持ちの表れなのでしょう」(芸能関係者) 「性加害を軽視している」 創業者であるジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題をめぐって、ジャニーズ事務所の激動が続く。広告スポンサーの撤退が相次ぎ、10月2日に予定される経営体制発表では、社名変更や新会社設立など大胆な改革案を提示するとみられる。この間、木村はさまざまな策を講じてきた。そのひとつが、東山紀之新社長(56才)らとの会食だ。 「9月7日の会見で東山さんは木村さんと藤島ジュリー景子前社長、井ノ原快彦さん(47才)、国分太一さん(49才)ら幹部タレントと会食したことを明らかにしましたが、そこで木村さんは事務所のタレントやスタッフに対する熱い思いをぶちまけたそうです。さらに事務所の今後について、変えなければいけないことと継承していくことを明確にして、世の中に伝えるべきだという姿勢も明らかにしたようです」(前出・芸能関係者) 自身の意見を新社長に提言するのと時を同じくして、木村はある提案も行っていたという。 「木村さんは『後輩たちとフランクに話せる場を作りたい』と井ノ原さんや国分さんに声をかけ、メッセージアプリでグループを作ったそうです。すると木村さんを慕う多くの後輩が集い、瞬く間にひとクラスに相当する規模のグループになったとか。自分が食べたいものを持ち寄って歓談するという手作りの食事会を何度か開き、腹を割った話し合いを進めたと聞きます」(前出・芸能関係者) 事務所の改革において、今後のキーマンとみられる木村だが、東山らの会見後には批判にもさらされた。 《「show must go on!」 PEACE!! STAYSAFE 拓哉》 会見直後、敬礼した自撮り写真とともに木村はこうインスタグラムに投稿した。「show must go on」とはジャニー氏のモットーとしても知られ、“一度始まったものは最後までやり遂げなくてはならない”ということを意味する。 「投稿にはいいねが18万を超える一方、『性加害を軽視している』とも受け止められ、賛否両論となりました。木村さんは投稿を削除したものの、その気持ちに嘘はなかったのでしょう。どんな境遇にあっても目の前の仕事に地道に取り組み、エンタメで結果を見せていきたいという思いなのです」(前出・芸能関係者) その気概は別の面からもうかがえる。前述の通り、木村はDA PUMPのコンサート会場にも足を運んだ。前出の芸能関係者はこの行動について「木村さんの覚悟の表れでしょう」と指摘する。 「1997年にデビューしたDA PUMPは、歌、ダンスのレベルが高く、すぐに大ブレークを果たしました。しかし、当時は国民的男性アイドルといえばSMAPでした。結果、DA PUMPの露出は思うように増えなかった。彼ら自身のスキャンダルなどもあり、やがてSMAPだけでなく、ほかのジャニーズタレントの影にも隠れてしまうようになったのです。 DA PUMPから見たらSMAPは越せない高いハードルで忸怩たる思いもあったでしょうが、木村さんは後にISSAさんと個人的につながり、いまや友人関係を築いています。こんな時期だから、かつての“因縁の相手”と会えば、揚げ足をとる人がいるかもしれない。それでも木村さんとしては“全方位外交を”という思いがあるのでしょう」(前出・芸能関係者) だが本人の気持ちとは裏腹に逆風は続く。前述の通り、広告スポンサーの“ジャニ切り”が相次ぐなかで、木村も例外とはならなかった。長年、木村を起用してきた日本マクドナルドと日産自動車は、9月中旬に新たな広告、販売促進においてジャニーズタレントを起用しない方針を明らかにした。さらなる追い打ちとなったのは、木村が主演する人気ドラマ『教場』(フジテレビ系)のスペシャルドラマが制作延期になったことだ。 「『教場』シリーズは連続ドラマ化もされ、近年の木村さんの代表作の1つでした。スペシャルドラマは来春放送で、今秋の撮影が予定されていましたが、急遽制作が止まったのです。ジャニー氏の性加害問題が影響したとの報道もありましたが、実際には、生徒役のメインキャスト級の若手俳優が体調不良を理由に降板したことが、そもそものきっかけだといわれています。 ドラマに期待をかけていた木村さんは一時期かなり落胆していましたが、大事なキャストが欠けて、完璧な作品を作ることができないならば、一度立ち止まってみようと前向きに受け止めたようです」(テレビ局関係者) 「YOUはめちゃくちゃだ!」 窮地の中でもエンタメにこだわり続ける木村。彼をジャニーズ始まって以来の最大のスターと呼ぶ声は多いが、若かりし頃、本人にその覚悟はなかった。 木村がジャニーズ事務所に入所したのは1987年のこと。本人が知らないうちに親戚が履歴書を送り、初めて事務所を訪れた際、そこにいた小柄な男性に「すみません、ジャニーさんってどこにいるんですか」と尋ねた。すると男性はこう答えた。 「ぼくだよ」 それが2人の出会いだった。その後、木村は光GENJIのバックダンサーなどの下積みを経て、1988年にSMAPが結成された。スーパースターの階段を歩み出した木村だが、ジャニー氏には怒られてばかりだったという。 「バックダンサー時代、金髪のメッシュを入れた木村さんにジャニーさんが『YOU、最悪だよ!』と激怒し、木村さんの頭を押さえつけて、スタッフに買ってこさせたスプレーを使いその場で髪を黒く染めた“事件”は有名です。 ハワイに行った際に無断で部屋を抜け出したり、リハーサル中にガムを噛んでいて振付師から『帰れ!』と言われて本当に帰ってしまったりと木村さんはヤンチャなエピソードが豊富ですが、そのたびにジャニーさんは『YOUはめちゃくちゃだ!』と怒鳴りつけたそうです。 年齢を重ねるにつれて温厚になったジャニーさんですが、木村さんに対しては『YOUの代わりなんていくらでもいるんだよ!』と叱り飛ばすことが多かった。木村さんはジャニーさんに最も怒られたアイドルかもしれません」(別の芸能関係者) 厳しい態度は期待の裏返しだった。かつて『産経新聞』(1995年6月12日)のインタビューで、ジャニー氏は木村についてこう語っている。 《とにかく頑張り屋。すべてに納得を知らない。仕事に納得したら芸能界をやめると言っているほど》 木村にとってもジャニー氏は大きな存在だった。 「木村さんはよく『あの人がいなかったら、こういう仕事をやってなかった』と話していました。ジャニーさんも独自路線の木村さんを叱りつつも、認めて面白がっていた節があります。オンリーワンの道を突き進む木村さんのやり方は、ある意味でジャニーズイズムの継承でもあるのです」(前出・芸能関係者) 2019年7月、ジャニー氏が逝去すると木村は『AERA』(2019年12月30日・2020年1月6日合併号)で継承の決意をこう述べた。 《ジャニーさんがどういうふうに受けとってくれるかはわからないけれど、歌に関しても、作品の現場においても、彼の死によって、自分がよりしっかりやらなきゃと思うようにはなっています》 芸能の世界に足を踏み入れ35年。「キムタクブーム」に始まり、さまざまなムーブメントを起こしてきた木村は、50代になっても人気は衰えることなく、第一線で輝き続ける稀有な存在だ。間違いなくジャニーズにおける重要なタレントと言える。しかし、そんな木村にも、この渦中で退所情報が飛び交った。 […]