志麻さんの「肉巻き」をつくるコツ。うま味を引き出すポイントは塩の量にあり
フランス料理のシェフから家政婦に転身し、気軽でおいしい家庭料理レシピが大人気のタサン志麻さん。 そんな志麻さんのレシピには、いつもの料理が簡単においしくなる工夫が満載! 今回のレッスンテーマは「肉巻き」です。 この記事のすべての写真を見る 「肉巻き」は肉の下味の塩を多めにするのが、うま味を引き出すポイント 「簡単なのに、ごちそう感もある『肉巻き』。おいしさの表現として、“味に深みがある”という言い回しがありますが、それは、口の中でおいしさが立体的に広がる感覚。この味わいは、素材のうま味を上手に引き出すことで生まれます。今回ご紹介する肉巻きも、3つのポイントを意識するだけで、食べたときのうま味が違ってきますよ」 肉巻きをおいしくつくるポイントを、志麻さんに教えてもらいました。 <ポイント1>肉の下味は塩を多めにふる 素材のうま味を上手に引き出すために欠かせないのが、下味としてふる塩。このときの塩は、素材すべてにまんべんなくふるよりも、とくに濃いうま味をもつ肉に重点的にふるのがおすすめ。おいしさに大切なのは、メリハリなのです。 「多くふると、しょっぱくなるのでは?」と心配になるかもしれませんが、この塩は、肉の余分な水分を出してうま味を凝縮させる役割なので、少し多めでも問題ありません。 塩の分量の目安は、肉の重さの0.8~1%ほど。量ってみると、意外に多いことに気づくはず。 <ポイント2>肉は斜めに転がしながら巻いていく 肉の巻き方にもポイントが。焼き時間が短時間でもすむよう、肉は厚みが出ないように、斜めに転がしながら巻いていきます。 <ポイント3>焼き始めはいじらない ついついひっくり返したくなりますが、焼き始めはいじらず、まずは全体に焼き目をつけて香ばしい風味をプラスします。 ●野菜の肉巻きレモンじょうゆソテー 【材料(4人分)】 豚バラ薄切り肉 250g(12枚) 塩、コショウ 各適量 インゲン 12本 ニンジン 1/3本 サツマイモ 1/2本 シイタケ 1~2枚 サラダ油 大さじ1 レモン汁 1/3個分 しょうゆ 小さじ1/2 【つくり方】 (1) 豚肉は1枚ずつ広げ、しっかりめに塩をふって下味をつけ、コショウをふる。 (2) インゲンはヘタを切り落とし、長さを半分に切る。ニンジンはインゲンと同じサイズに切る。サツマイモは皮つきのまま同様に切り、水にサッとさらし、水気をきる。シイタケも石づきを除き、同様に切る。 (3) 鍋に湯を沸かし、火のとおりにくいニンジン、インゲン、サツマイモ、シイタケの順にゆで、粗熱をとる。 (4) (1)に(3)を1/12量ずつのせて巻き、計12個つくる。 (5) フライパンにサラダ油を中火で熱し、(4)を巻き終わりを下にして入れる。ときどき転がしながらこんがりと焼き、レモン汁をふりかける。全体にからんだらしょうゆを加えてなじませ、火を止める。 おかずをつくりおきする際は、清潔な保存容器に入れて保存してください。保存状態によっては傷みやすくなることもあるので、保存期間内であっても早めに食べるようにしましょう 各レシピに表記されているカロリーは、とくに指定がない限りすべて1人分です 計量単位は1カップ=200ml、大さじ1=15ml、小さじ1=5ml、1合=180mlです また、現在発売中の『à table SHIMA vol.04 春号』(扶桑社刊)では、タサン家のデイリーごはんレシピをたっぷり掲載。定番料理やフランス人も大好きなジャガイモレシピ、新タマネギやアスパラを使った春レシピなど、楽しい特集が盛りだくさんです。 『志麻さんのベストレシピ 料理のきほん編』では、「これだけは覚えておいてほしい」という志麻流“おいしい”をつくる20のルールを紹介しています。