大阪府東大阪市と長崎県の五島列島などを舞台に、主人公の岩倉舞（福原遥）がさまざまな人たちと出会い、挫折と再生を経験しながら、飛ぶ夢に向かう姿を描くＮＨＫ連続テレビ小説「舞いあがれ！」（総合など）。第１９週「告白」の第９１話が１０日、放送される。
「舞いあがれ！」これまでの流れ
舞は、急死した父、浩太（高橋克典）の後を継いで実家の工場「ＩＷＡＫＵＲＡ」の社長に就いた母、めぐみ（永作博美）を支えることを決意。パイロットになるという夢を諦め、ＩＷＡＫＵＲＡの正社員になった。舞は父譲りの粘り強さで営業担当として活躍。投資家の兄、悠人（関ジャニ∞・横山裕）も工場を買い取って資金援助し、借金を完済した会社は息を吹き返した。
舞とめぐみは、セミナーで菱崎重工の重役と知り合い、浩太の夢だった航空機部品の試作に挑戦。前例のない困難な課題に全社一丸で取り組み、東大阪の仲間たちの協力も得ながら試作品を完成させた。その完成度は高く、品質試験もクリアしたが、めぐみは、リーマンショック時の苦境を思い返し、航空機部品産業への本格参入を断念。舞は、母の堅実な判断に納得する一方、大きな目標を失い、喪失感を覚えた。そんな舞を幼なじみの梅津貴司（赤楚衛二）は「ゆっくり気持ちの流れに任せて、新しいことが見つかるまで待ったらええやん」と励ました。
ある日、悠人が工場の権利をめぐみに返すと言ってきた。理由を聞いてもはぐらかす悠人。後日、悠人にインサイダー取引の疑惑が持ち上がり、そのニュースがテレビでも報じられた。マスコミが大騒ぎで、岩倉家にも記者が押しかける始末。音信不通になった悠人は実家近くの公園で夜の雨に打たれ倒れていたが、たまたま通りかかった舞の幼なじみの父、望月佳晴（松尾諭）によって救われた。目を覚ました悠人は舞とめぐみに連れられて実家に戻り、２人にインサイダー取引の事実を認めた。
舞は、悠人に浩太が遺した「歩み」ノートを渡した。悠人は、会えばケンカばかりだった浩太の本心を知り、遺影の前で号泣。めぐみは、何度失敗しても諦めなかった浩太の粘り強さに触れ、しっかり罪を償い、仕事も信用も少しずつ取り戻したらいいと慰めた。半年後の裁判で、懲役３年、執行猶予５年の判決を受けた悠人。罰金など巨額の負債を抱えたが、心機一転、再出発に向けて動き始めた。
ある日、舞が仕事終わりに貴司が営む古書店「デラシネ」に寄って貴司と話していると、貴司の短歌が好きだという秋月史子（八木莉可子）が店にやってきた。史子は自作の短歌を差し出し、貴司に読んでほしいと頼んだ。
「舞いあがれ！」第９０話振り返り＆第９１話あらすじ
第９０話（９日放送）で、舞が店番をするなか、史子の短歌を読み終えた貴司は、よい歌をもらったと礼を言い、史子の短歌について、発想もいいが、それよりも近くいるのに伝えられない、切なさを感じたとほめた。すると史子は突然涙を流し、人に見せるのは怖かったが、貴司の短歌を読んで、貴司になら自分の短歌を見せられると思ったと告白した。史子はまた新しい短歌ができたら詠んでほしいと頼み、貴司も楽しみにしていると応じた。そして帰り際、舞に「奥様ですか？」と尋ね、否定されると「よかった」と安堵して帰っていった。
舞は、史子とのやりとりを久留美に説明。貴司に話の合う仲間ができてよかったと話すが、久留美は、そんなのんきなことを言っているうちに貴司と史子が仲良くなってしまっていいのかと聞いた。舞は少し考え、自分は関係ないと答えた。
貴司の実家のお好み焼き店では、大阪の福丸百貨店で物産展を開くために五島からやってきた役場職員の浦信吾（鈴木浩介）たちが、翌日に向けて景気づけの宴会を開いていた。百貨店の担当者、熊谷百花（尾本祐菜）と舞の幼なじみ、浦一太（若林元太）は五島の魅力を語り合って大盛り上がり。一太は、舞から百花への気持ちを尋ねられ、恋心を伝えるために大阪に来たものの、自分ではダメかもしれないと弱気を見せたが、舞は頑張ってと励ました。舞から元気をもらった一太は、舞の話も聞くと言ったが、舞は「私は何もない」と返した。
第９１話で、五島からやってきて、前夜の景気づけで酔いつぶれ岩倉家に泊まった椿山さくら（長濱ねる）。朝食までご馳走になり、３杯目のお代わりをする。舞が貴司を物産展へ誘おうとデラシネを訪ねると、出版社の担当編集者、リュー北條（川島潤哉）が先に来ていた。新作の短歌に目を通した北條は、貴司にダメ出しをする。