球団としては49年ぶりに宮崎・都城市でキャンプを開催
NPBでは5球団が宮崎県でキャンプを行い、連日、活気を見せている。巨人は1・2軍が宮崎市で行い、3軍は球団として49年ぶりに都城市でキャンプに臨んでいる。練習場所となっている高城運動公園にはブルペンが設置、大きな室内練習場やサブグラウンドも完備されている。そんな“豪華”さと同じくらい目を奪われるのは“レジェンド”たちの姿だった。
1軍キャンプが行われている場所から、高速道路を経て約50分。都城市に到着すると、来訪者を歓迎するように、同公園周辺などに「歓迎 読売ジャイアンツ」と記されたのぼり旗が掲げられていた。前日(7日)には宮崎牛や都城産豚肉と鶏肉、餃子などが選手、スタッフたちに贈呈されるなど、市をあげてバックアップ。現地でのセレモニーでは、都城市から桑田真澄ファーム総監督、“満塁男”こと駒田徳広3軍監督に市の特産品のパネルが手渡された。
練習場所には無料観覧スペースが設けられ、ファンは近くで選手たちを目で追った。背番号が3桁の育成選手たちだが、近い将来、東京ドームを沸かす選手たちであることを願い、キャンプガイド片手に名前と背番号を照らし合わせながら、視線を送っていた。
そんな地元ファンでもガイドも不要なメンバーがコーチ、スタッフには揃っていた。両監督はもちろんのこと、日本ハム、巨人、中日で活躍した名球会打者でもある小笠原道大3軍打撃コーチに、侍ジャパンとして3度のWBCに出場し、ソフトバンクから巨人移籍後にノーヒットノーランを達成した左腕・杉内俊哉3軍投手チーフコーチら“レジェンド”が若い選手たちと向き合っている。さらに高校時代や巨人時代も観客を魅了した『阿波の金太郎』こと、水野雄仁スカウト部長も練習を視察。往年の野球ファンにはたまらない空間となった。
他にも首位打者の好打者、球宴出場のセットアッパーら若きコーチも
他にも横浜(現DeNA)時代に首位打者を獲得した金城龍彦3軍外野守備走塁コーチ、日本ハム時代に球宴出場をしたことあるセットアッパーの矢貫俊之3軍投手コーチ、巨人、西武でプレーし、スカウトを経て今年から指導者となった脇谷亮太3軍内野守備コーチ、入団した巨人から移籍先の日本ハムで大谷の165キロを受けた市川友也3軍バッテリーコーチらユニホーム組が指導。コーチ陣にサインを求めるファンも見られた。
午前中は前日の雨天により室内練習場スタートになったが、午後からは晴天のグラウンドの下でキャンプが行われた。体の大きな選手たちが、声を出しながら、技術を磨いていた。右肘のクリーニング手術から支配下復帰を目指す田中豊樹投手や期待の育成2年目左腕の富田龍投手が打者相手に投球を披露するなど、若い力は育っている。レジェンドたちを横目に見ながら、“明日の1軍選手”を見るために、約50年ぶりの都城市へ、キャンプ観戦に出かけるのも面白い。選手たちの刺激にもつながるのではないだろうか。キャンプは28日まで(毎週月曜日は休日)行われる。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)