大阪府東大阪市と長崎県の五島列島などを舞台に、女優の福原遥が空を飛ぶ夢に向かう主人公、岩倉舞役を演じるNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」(総合など)の第19週「告白」の第89話が8日、放送される。
「舞いあがれ!」これまでの流れ
舞はパイロットになる夢を諦め、急死した父、浩太(高橋克典)の後を継いで実家の工場「IWAKURA」の社長に就いた母、めぐみ(永作博美)を支え、リーマンショックの影響を受けて経営難に陥った工場の再建に専念することを決意。舞の大口受注獲得や、舞の兄で投資家の悠人(横山裕)が工場を買い取って運転資金を援助したことで、会社は借金を完済し、経営状況は順調に回復していった。
入社から4年が経った舞は会社で営業のエースに成長。浩太の夢を実現するため、めぐみとともに航空機産業関連のセミナーに参加し、会場で知り合った菱崎重工の重役、荒金正人(鶴見辰吾)から、航空機エンジン用ボルトの試作を持ちかけられた。IWAKURAでは前例のない難しい仕事だったが、従業員一丸で取り組み、近隣工場の協力も得ながら完成させた試作品は、見事、品質試験もクリア。惜しくも本発注は逃したが、荒金から直々に、自動車エンジン用のボルトを受注した。めぐみは、荒金から改めて航空機産業への本格参入の意向を尋ねられたが、リーマン後の経営危機を振り返り、これまで通りの地道な経営を続けると返答。舞は、めぐみの堅実な判断を受け入れたが、大きな目標を失い「心にポッカリ穴開いてしもた…」と肩を落とした。幼なじみの梅津貴司(赤楚衛二)は、そんな彼女を「新しいことが見つかるまで待ったらええ」と励ました。
一方、悠人は、IWAKURAの権利をめぐみに返還した。突然の申し出に、めぐみは悠人を心配。後日、製薬会社の株取引で26億円の損失を一気に取り戻した悠人に、インサイダー取引の疑惑が浮上。報道を見ためぐみや舞は、真相を確かめようと悠人のスマホを何度も鳴らすが、連絡がつかなかった。IWAKURAの前にも報道陣も集まりはじめ、めぐみは従業員たちに迷惑をかけると頭を下げた。
その晩、雨のなか、舞が帰宅すると実家の前にも報道陣が詰めかけていた。舞は、貴司が営む古書店「デラシネ」へ避難。同じころ、悠人は土砂降りのなかびしょ濡れでひとりさまよい、実家近くの公園で倒れ込んだ。
「舞いあがれ!」第88話振り返り&第89話あらすじ
第88話(7日放送)で、舞の親友で看護師の望月久留美(乃木坂46・山下美月)の父、佳晴(松尾諭)が、倒れた悠人を目にして自宅へ連れ帰り、濡れた体を乾かそうとした。そこへ帰宅した久留美は、悠人が低体温症になっていることに気づき、体を温めるため佳晴から服を借りるなど、冷静に対処した。そこにめぐみと舞が駆けつけた。悠人は2人には迷惑をかけないと一緒に帰ることを拒否したが、久留美は、めぐみと舞がどれだけ心配したのかを考えろとピシャリ。支えてくれる家族がいるなら頼るべきだと怒った。
その後、舞とめぐみが悠人を実家へ連れ帰り、翌日、何があったのか聞き出すと、悠人は損失を取り戻すためにインサイダー情報に手を出してしまったことを認めた。落ち込む悠人に、舞は浩太が遺した「歩み」ノートを見せた。そこには、投資家として活躍する息子を喜び、息子を理解しようとしていたことが綴られていた。悠人は「そんなん一回も言ってくれなかったやん…」ともらし、浩太の遺影の前で、仕事の信用も、浩太と話し合うチャンスももう取り戻すことができないと悔やみ、泣き崩れた。そんな悠人を、めぐみは罪をしっかり償って仕事も信用も少しずつ取り戻したらいいと励ました。
第89話で、悠人は、舞、めぐみと実家で久しぶりに夕食を囲む。悠人がめぐみに頼んだのはカレーライス。めぐみが舞を連れて長崎・五島に行っていたころに浩太がよく作ってくれたカレーの思い出を、悠人はしみじみと語る。そして、翌日には東京に戻り警察に出頭すると、舞とめぐみに伝える。