【北京時事】中国と米国で気球を巡る対立が深まる中、中国空軍が2019年、「外国の偵察気球」を撃墜していたことが7日までに分かった。中国政府は自国の気球を撃墜した米国を「過剰反応で、国際的な慣例に反している」(謝鋒外務次官)などと非難したが、自国軍による過去の対応との整合性が問われそうだ。
複数の中国メディアによると、中国軍は19年、上空に白い浮遊物を発見。「動力がある無人気球」と判断して戦闘機「殲10C」の空対空ミサイルで撃墜した。「防空安全の脅威」と説明している。押収した残骸から外国のものと確認したが、具体的な国名は明らかにしていない。
中国外務省の毛寧副報道局長は7日の記者会見で、今回の気球は「民間用であり、誤って米国領空に入った。米側の国家安全にとって脅威ではない」と従来の説明を繰り返した。米側に対し気球の残骸の返還を求めるかどうかについては、「(気球は)米国のものではなく、中国のものだ」と述べるにとどめた。