回転寿司チェーン「スシロー」の店内で、客が迷惑行為をしている動画がSNSにアップされた問題について、スシロー側は警察に被害届を出したが、この行為にはどのような罰則が科せられるのだろうか。また、今回の問題に限らず店で迷惑行為をした場合、損害賠償金を請求されることはあるのだろうか。
■スシローでの迷惑行為は2つの罪にあたる!科せられる罰則は?
SNSにアップされた動画では、客が「醤油さしの注ぎ口を舐める」「未使用の湯飲みを舐めて元に戻す」「指につばをつけてレーン上のお寿司に触る」といった行為をしている。
テレビ局から取材を受けた弁護士によると、醤油さしを舐める行為と、寿司に唾液をつける行為は「器物損壊罪」にあたる可能性があるという。物理的にモノは壊れていないが、この2つの行為によって、本来客に提供できるものが提供できなくなるためだ。
これらの行為によって店の信頼が損なわれ、業務を妨害しているため、「偽計業務妨害罪」にあたることもある。
器物損壊罪の罰則は、懲役3年以下、または30万円以下の罰金だ。偽計業務妨害罪では同じく3年以下、または50万円以下の罰則が科せられる。
■1,000万円以上の賠償金が請求された事例も?
問われるのは罪だけとは限らず、迷惑行為によって本来得られるべき売上を失ってしまったという事実が認められれば、損害賠償金が請求されることもある。
実際、過去に迷惑行為に対して多額の賠償金が求められた事例がある。
2013年には、蕎麦屋のアルバイト店員が食洗機や冷蔵庫に入り込むなどの動画をアップし、その店は営業停止に追い込まれて破産した。
店側はアルバイト店員らに1,385万円を請求する裁判を起こしたが、最終的に200万円の和解金で決着した。
2020年には、とある宿泊施設で予約の無断キャンセルが相次いだ。予約を入れた男性2人は、施設側から約280万円の支払いを求められた。
今回のスシローの件についても、損害賠償金が求められる可能性はある。
賠償金の額は被害の大きさによるため、具体的な金額を予測するのは難しい。しかし、スシローの規模や影響力を考えると、とんでもない額になるだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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