「卓球・Tリーグ、日本生命3-1日本ペイント」(5日、貝塚市コスモスシアター)
4位の日本生命は、2位の日本ペイントに3-1で勝利し、プレーオフ進出圏内の3位まで勝ち点1差に迫った。2-1で迎えた第4試合では、伊藤美誠(22)=スターツ=が相手エースの芝田沙季(25)に3-0でストレート勝利。前日のトップ名古屋戦では1ゲーム先取の延長戦で敗れて涙を流したが、雪辱の決勝星を挙げ「昨日は苦しい展開だったが、今日は自分のために、チームのために戦うことができて幸せだった」と、うれし泣きした。
重圧から解放されると、伊藤は両腕を突き上げて喜びに浸った。現在Tリーグトップの13勝を挙げている芝田に対し、多彩なサーブやコースを突くスマッシュなど本来の強さを発揮。前日チームを勝利に導けなかったショックを振り払い、チームに勝ち点をもたらす大きな1勝を挙げた。
コート上インタビューでは、こぼれる涙を拭いながら「勝って涙したのは久しぶり。昨日1ゲーム(先取)での負けがあったので本当に悔しくて。負け方もすごく悔しかった」と振り返り、「早田選手から昨日の夜にLINE(のメッセージ)をもらって『自分らしく最後までやれることをやり尽くせば大丈夫だよ』と言ってくれて。肩の荷が下りたというか、思い切ってリラックスして、楽しんで(プレーすれば)チームの勝利につながるとわかった」と笑顔を取り戻し、盟友に感謝を込めた。
世界中の選手からマークされるエースの雪辱劇に、チームメートも次々と感涙。日本生命の村上恭和総監督は「昨日負けてかなり落ち込んでいたので、今日も負けたら立ち直れないんじゃないかと(周囲は)思っていた。(その中で)苦手だった芝田に全盛期のようなプレーをして(チームメートは)みんな拍手を送ったのでは」と振り返り、「(今日はコート上で)ウキウキしていた。サーブもアイデア満載で、そうした(伊藤らしい)プレーがないと生きてこない」と賛辞を贈った。
現在世界ランク6位の伊藤は今後もプロツアーなど国際大会にも出場しながら、国内のパリ五輪選考会、そして今季初参戦のTリーグではチームのプレーオフ進出を目指す。「海外の大会もあるが、Tリーグも成長させてくれる場所。声援を力に変えて1試合1試合全力で楽しんで試合をしたい」と力を込めた。